4枚のカード
ちょっと、パズルを解いてみて欲しい。
片方の面には数字、もう一方の面にはアルファベットが印刷されたカードがあるとしよう。そして、今、「A」「K」「5」「8」と書かれた4枚のカードが配られた。
さて、この4枚のカードにおいて、「カードの片面に母音(A、E、I、U、Oのどれか)が書いてあれば、その裏に書かれた数字は必ず偶数である」というルールが成り立っているかどうかを確かめるには、最低限、どのカードを裏返せばいいだろうか?
じっくり考えて、答えを出してから次を読んで欲しい。
……さて、あなたはどう答えたろうか。
これは認知心理学の分野で有名な「4枚カード問題」と呼ばれるもので、1970年に発表された、イギリスの名門大学生を対象に行った実験では、46%の人が「A」と「8」と回答し、33%の人が「A」だけを選んだ。
だけど、これはどちらも間違いで、正解の「A」と「5」を選んだのは、わずか4%だった。
念のため解説すると、「A」の裏が奇数なら法則が成り立たないし、「5」は奇数だから裏が母音だとダメなので裏返す必要がある。一方「K」は母音じゃないから裏は何でも良いし、「8」の裏が母音でなくてもルールに反しないので、裏返す必要はないわけだ。
いやあ、こういう論理パズルって、なかなか難しいよね。でも、これをもう一つ別のパズルと比較すると、人間の心の不思議さが見えてくる。
今度のカードは、片面に酒を飲む人とお茶を飲む人が描かれている。
また、それぞれの裏にはそれを飲んでいる人の年齢が印刷されている。
さて、ここに、「16歳」「40歳」「お茶を飲む人」「酒を飲む人」の4枚のカードがあるとしよう。このカードが「18歳未満の飲酒は禁止」というルールに違反していないかどうかを調べるには、どのカードを裏返せばいいだろう。
……正解はもちろん、「16歳」と「ウィスキーを飲む人」のカードだ。そしてたぶん、これには大半の人が、楽々正解できたと思う。さっきとは段違いの簡単さだ。
ところが、最初のパズルと後のパズルは、論理的には同じ真偽判定が必要な、同質の問題なのだ。両者の間には、パズルが抽象的な記号で表現されたか、社会的ルールで表現されたかの違いしかない。
つまり人の心には、社会的なルールが守られているか否かを、素早く見抜く能力が備わっているらしい。どうやら人の心は、抽象的な論理処理を行えるように進化したわけではなく、社会の中で上手に暮らせるように進化してきたものといえそうだ。
抽象的で理解の難しい事柄でも、擬人化して説明するととてもわかりやすくなる事が多い。それは、正確な理解ではないけれど、腑に落ちるという感じでわかったりする。
このことからしても、人の心には、複雑な反応を示す他者に、心の存在を仮定する癖がある事が解る。それは人間の心にある「認知の歪み」の一つなのだ。
最終更新時間 2006年01月30日 19:08
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面白いですね。私もAと8、あるいは全部?とか考えてしまいましたが、これは、問題の意図の取り違えが理由に思えます。つまり、問いを、子音は奇数でなくてはいけない、と取り違えました。
もし問題に下記の一文が着いていれば、正解が4%という事は無い気がしますけど・・・。
例)※子音の場合、奇数でも偶数でも構わない
この問題の取り違えが社会的ルールの認知と繋がるんですかねー。
投稿者 to : 2006年02月01日 19:26










