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2006/01/30

高速おつり計算

 ポケットの中に、一円玉とか五円玉とかがあるのが嫌だ。じゃらじゃらするし、この二つの硬貨は、自動販売機でも使えない。

 10円玉もあまり好きじゃない。硬貨の色は、できれば銀色一色であってほしい。

 昔は、1円とか5円のおつりが来る事は滅多になかった。
 そのため、たまにそういうおつりをもらうと、コンビニの募金箱に「捨て」ていた。どうせ邪魔なものだし、それでなにがしか社会に貢献できるもんね、と思ったからだ。

 ところが、消費税が導入されてからは、買い物をすると、ほとんどいつでも1円玉や5円玉のおつりが来るようになってしまった。それをすべて募金に回すのは、さすがにフトコロ事情的に厳しい。でも、ポケットの中はじゃらじゃらする。ああ、イヤンな感じ。

 そこで、いつの間にか身につけたのが、おつりの硬貨の数を最小にする技だ。

 たとえばコンビニで927円のものを買ったとしよう。
 そのときの手持ちのお金が、1644円だ。
 うちわけは、1000円札1枚、500円玉1枚、100円玉1枚、10円玉4枚、1円玉4枚。

 すると、ぼくは瞬時に判断して、1032円を出す。
 おつりは105円。小銭の数は最小だ。

 あるいは、このとき手持ちのお金が1646円で、5円玉と1円玉を持っていたとすると、ぼくは1030円だして、おつりは103円。

 手持ちの金額が1040円で、買い物の値段が752円だと、1010円出して、おつりは258円。

 こういうと、ああ、暗算が得意なんだね、とか思うかも知れない。
 でも、そうじゃないのだ。

 ぼくはそろばんはできないし、暗算も面倒なんで、あんまりしたくない。
 実際、この時ぼくは、計算らしい事をほとんどしていない。

 もっというと、お金を支払う時点で、いったいいくらのおつりが貰えるか意識していないし、いくら払っているかもはっきりわかっていない。

 でも、おつりの小銭の数が、最小になる事だけは解っているのだ。

 じゃあ何をしているのかというと、これがよく分からない。何しろ無意識にやっている事なので、説明しようとしても、なかなか言葉にならない。
 そこで、買い物をする時、自分はどんなことをしているのか、あらためて観察してみることにした。

 買い物の値段が927円のとき、まず第一にやっているのは、これを手持ちの硬貨だけで払えるかどうかという判断らしい。

 ポケットの中の硬貨を掌の上にのせてパッと見る。このとき、頭の中で硬貨の枚数を数えたりはせず、見た目、映像としてだいたい何枚あるかを把握する。
 そして、その硬貨で払いきれないとと解ると、1000円札を出す。

 次に、支払金額の10の桁以下の数字をみて、27円なので、30円出せば足りると判断。10円玉を三枚支払う。

 最後に、支払金額の1の桁が7円なので、2円を出しておつりを5円玉にする。

 こうしてみると、ぼくがやっているのは、数字の大小の比較と、それに基づく条件判断のようだ。そしてこのやり方は、暗算をするより楽であると同時に、より素早く答えを出せるという特徴がある。

 実はこれと同じような事は、コンピュータのプログラムでもやられる事がある。
 コンピュータが行う計算の基礎は、2進数の足し算だ。そして、この2進数の足し算でANDとかORとかNOTなどの論理演算=条件判断もできる。

 そのため、ある数値の組み合わせを入力して、答えを求める方程式で、答えが有限の個数しかない場合、実際にその計算をせずに、答えを数表で持っておいて、入力の条件によって答えの値を参照するというやり方をする事がある。最近はどうか知らないけど、CPUのスピードが遅く、メモリも少なかった大昔は、こういうやり方で計算をスピードアップすると同時にメモリを節約するのが、プログラミングのテクニックとしてあったのだ。

 また、これと本質的に同じことを、僕たちは子供のころから普通にやっている。
 それは、掛け算の九九だ。
 6×7は、本来は6を7回足す計算を意味しているのだけど、僕たちはいちいちそんな計算をせずに、「ろくひちしじゅうに」と覚えている。つまり、かけ算において、6と7という入力があったら、42という値を参照しているわけだ。

 この現象の意味は、ある課題の解き方は、一通りではないということだ。
 つまり、一見計算の様な事をやっているように見えても、脳は必ずしも計算をしているとは限らないし、そのやり方も色々あるかもしれない。

 買い物のとき、貰うおつりの硬貨の数を最小にしようとする人はたくさんいると思うけど、ぼくとはまた違ったやり方でそれを実現している人もいるだろう。

 また、映画『レインマン』で有名になった、高機能自閉症の人がよくやるカレンダー計算(日付を言われると曜日を答えられるなど)などは、これと似た方法で答えを見つけだしているのかも知れない。

 ある問題の解決法はひとつじゃない。それは脳の情報処理レベルでもそうなわけで、これも個性というものの、一つの現れと言えるだろう。
 

最終更新時間 2006年01月30日 19:08

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はじめまして。
私も財布の中の小銭は常に最小になるようにしています。
以前職場でたまった小銭を一箇所にまとめておいて「一杯たまっちゃって困ったな」といってる人が何人かいてびっくりしました。私にはできません。

いつも小銭が最小になるような「手法」はつかっているのですが、おつりがいくらになるのかは私もお釣りをもらうまでわかりません。

ただし私はかならず、1の位から計算してお金を出していきます。お札からだすとたまにいきなり小銭のおつりをだされていやになります。

投稿者 座二郎 : 2006年02月01日 19:20

 私もおつりの小銭が最小限になるようにしていたのですが、ある時というか、私の場合は多くが、そうすると店員さんがおつりをくれるまでに非常に時間が掛かってしまうのです。
 どうやら、端数的なおつりになると(キリのいい場合でも)店員さんが、想定外だったらしくて対応できないことが多くて、待たされるのがイヤンな私は、最近では店の込み具合や自分の持ってる小銭の状態がキリのいい時しか実行していません。

投稿者 とっち : 2006年02月20日 03:38

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