対談・座談会:第1回「キャラクター市場の現状と、企業コミュニケーションでの活用状況」(その5)
先日、Wisdom Blogで「マーケティング航海記」を執筆中の株式会社マーケティングジャンクション代表・吉澤隆さんと久々に会い、有楽町ガード下・インターナショナルアーケードの「千成」で飲みながら様々な話題で盛り上がりました。この時のことを吉澤さんがお書きになったブログはこちらです。SIGMA_DP1と一緒の写真を。
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日本のキャラクターの元祖といえる「のらくろ」を例に、インターネット登場で蓄積・共有された情報がそれ以前と比べ爆発的に増加したことの意味や、インターネット登場以前の情報(特に、関係者が記憶しているだけの、ナレッジ化されていない知識)をどうアーカイブ化するかなど、知的好奇心を激しく刺激される話が続いて興味深かったです。
吉澤さんもおっしゃっていたように、今後さまざまな場を通してブロガー間のつながりを強化していくことで、より広い視野に立った面白いビジネスヒントが提供できるかもしれません。
あと取材を兼ねて、近いうちに江東区森下の「のらくろ館」まで行ってみたくなりました。
さて、「キャラクター市場の現状と、企業コミュニケーションでの活用状況」をテーマにした株式会社キャラクター・データバンク陸川和男社長との対談第5回目、引き続きご当地キャラ・ゆるキャラについてお送りします。
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1.最近のキャラクター関連市場動向
2)ご当地キャラ(2)・・・・地域活性化のための効果的な使い方は?
陸川: 2月に高知県に行ってきましたが、地方には歴史的な資産があって、そういうものをキャラクター化していたりします。
東京はいろいろな地方から来た人たちの寄り集まりなので、あまり東京の歴史や武将について語る人はいませんが、武将ブームというのも、ご当地キャラのひとつだと思うんですよね。「戦国BASARA」などの影響も大きいですが、実際に若い女性たちが武将たちの墓参りとかしていますからね。
野澤: 確かに、人気があったり歴史的所以があったりする武将を、動物や地元特産品などとくっつけたキャラだったら、歴史的なものや地元の名物を小さい子どもにもわかりやすく伝え、興味を持たせるきっかけになるのかなと思います。
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陸川: 地方って、みな地域に根ざした特徴を持っていて、そういうことを伝えていくことがその地方の理解につながっていく。それがすごく基本のような気がしています。(ご当地キャラが)そのきっかけになっているのは間違いないから、これを今後どのように伝えていくかが、いま考えていくべき課題なのではないかなと思います。
野澤: 農産物は地域ブランド・ブームですが、キャラクターを使用して成功している事例はあまりないようです。地域ブランドを売るのにキャラクターは最適なのではないか、と思うんですがね。
一時期、お米もネーミングで売っていた時期がありましたが、流通の仕組みや生産者米価が決まっていたからできた話で、そういうものがなくなって激烈な争いになった時には、ネーミングだけでは通用しないんだろうな、と思います。
実際、最近では「あきたこまち」のパッケージに萌えキャラを使って人気を集めた例もありますし。
今は苺もいろいろなブランドがありますよね。店頭に行くと、「とよのか」「あまおう」「さちのか」とかいっぱいあるので、差別化にはキャラ活用もありかなと。苺ならそのままキャラクターになりますよね。
青森では、雹被害にあったリンゴの「ひょう太君」が、雹の被害に遭っただけでうまいよって。あれは意味のあるキャラクター化ですよね。青森もそういうのを売って頑張っているんだな、と伝えられます。
必ずしも売らんかなだけではなく、食べてくれる人がいればいいよね、ということを伝えるためにキャラクターを作るんだったら、とてもいいのでは。
陸川: そういう使い方はあまりされないですからね。
野澤: 例えば、震災被害に合った地方のものをもっと食べようというキャンペーンなど、キャラクターを使ってコミュニケーションを変えれば、まだ手はあるような気がします。
先ほど、暴力シーンを子どもに見せないという親が増えているという話がありましたが、いいことはしたほうがいいという人は増えていると思うんですよね。
阪神大震災以降、ボランティアの精神が芽生えてきた。そういう人も親になっているわけですからね。そういうことを訴えるのに、偉い人が言いましたではなくて、そのコトバを変えてキャラクターが言いました、ということによって、少しでも到達の仕方が違うのであれば、まだまだキャラクターには可能性がありますよね。
【キーワード⑫~戦国武将もご当地キャラも、地方に注目を集める魅力的な“顔”】
野澤: ご当地キャラは、ご当地にとってはミニマムなコストで行えるというチャンスもあるとは思うのですが、ご当地キャラ同士のアライアンスや一堂に会してやるとか、そういうことができればひとつひとつのキャラは弱くても、いっぱいいることで注目されるのではないかと思います。
例えば「ゲゲゲの鬼太郎」も、意外なサブキャラクターが人気だったりしますし、最近でも、妖怪四十七士として全国の妖怪をテレビアニメや映画に登場させていましたからね。
陸川: 自治体同士でコラボレーションしていくのは、いろいろ政治的なこともあってなかなか難しいでしょうけれど、キャラ同士だったら、何かゆるい感じでいいかもしれないですね。
野澤: その辺を懐深くやっておくと、あながちブームでは終わらないかなと思います。実際に、埼玉では弱めのゆるキャラを集めて埼玉をPRしようという「ゆる玉応援団」のような動きが始まっていますし。
もうすぐ始まる《注:本日5/21に始まりました》裁判員制度のキャラはたくさんいますが、あれは各キャラが連動してなかったので、全体として裁判員制度って何?ということがいまいち伝わらなかったように感じます。ひとつひとつの予算は少なかったとしても、意味のある使い方をしたかというと、疑問が残ります。
余談ですが、地方の活性化の一つの方向性として、そのご当地にめちゃめちゃ有名な名産品がなくても、2~3の中堅クラスのものを「まとめワザ」として売れば十分戦える、というのがあるそうです。
東京に各県のアンテナショップがありますが、岩手の「いわて銀河プラザ」は(東銀座の歌舞伎座前という)立地もいいですが、北海道、沖縄に次ぐくらいの売上らしいんです。牛肉も農産物も1位じゃないけど、2番くらいのものを並べて売上を稼いでいる。キャラクターも同じで、弱いものでも集まれば、ということはあるかもしれません。そういうのをCGMでネタにしてもらえればもらえるほどいいわけですからね。
【キーワード⑬~たとえ小粒なキャラでも、集まってアピールすれば威力を発揮】
野澤: 以前職場後輩に、ゆるキャラに必要なゆるさって何か?が非常に気になる、と聞かれたことがあります。
昨年かなり流行った「ドアラ」は、気が付いたらバク転とかすごく運動神経がよくなっていて、強くなった中日ドラゴンズと一緒に成長している感じが非常にマッチしていますが、ほかの地域キャラはゆるいからかわいがってあげなければというのはあっても、このまま成長しないと飽きられるんじゃないかと。必要なゆるさとは何か、すごく気になる、と言ってました。
陸川: ゆるいだけですべてを表現してしまっているのが現状だと思うんですよね。ゆるいという定義はあまり議論されていない。
野澤: ゆるいというのは、最近のお笑いの芸風に似ていますよね。ちゃんとした昔ながらの人もいるんですけれど、どちらかというと、素人っぽくて、突っ込みやすく、一発屋で、プレッシャーに弱そうだ、みたいな、ダメダメな感じで、ただひとつの芸だけは面白いぞみたいな感じですね。一部ファンの間でもてはやされたり、M1では絶対に途中で落とされるけど、常連として必ず出てくるぞみたいな、あの辺に近いのかなと。逆に完成していないから、感情移入できるのかな、と。
「ドアラ」はぼーっとしているけれど動くとすごいとか、「ひこにゃん」も動きがあったから全国に伝播していったわけですよね。「やなな」だって、段ボールかぶっているだけだったらよくわからない存在でも、動きがあったからキャラとして成り立っているのでは。
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例えば勧善懲悪型のヒーローにして、何々したほうがいいという意志をはっきり持っているとか、「たら丸」のようにヒールに徹するとか、そういう性格付けとか成長ストーリーとか、どこまで描けるかわからないけれど、単に突っ込みを待って、ボケだけをかましているのは去年で終ったと思うんですよ。
陸川: この先どう展開していくかというのは、これらのゆるいキャラクターをどう育成していくのかということですよね。
育成するには、活用しないと育成できないわけですから、もっと積極的にメディア展開していくのも必要かもしれないですし、商品化という領域の中で広げていくというのも必要かもしれないです。
商業的なキャラクターも、見た目のかわいさだけで商品が買われているわけではないわけですから、そういう展開をしていって、地元や訴求したい人たちに対してもっと身近な存在になってもらわないといけないということだと思います。
野澤: メディア展開するとか商品化するということは、ビジネスのノウハウが入ってくるわけですから、そこにチャンスがあるわけですね。
【キーワード⑭~今後はゆるさだけでなく、メディア展開や商品化で「+α」の個性やメッセージを伝えることが必要】
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以降、次回に続きます。
P.S.
今回対談をお願いした株式会社キャラクター・データバンクは、下記の事業を展開しているキャラクター・マーケティング・カンパニーです。
●キャラクター・ビジネスに関するマーケティングリサーチ業務
●コンサルティング業務
●出版物の企画編集及び販売
●インターネット・コンテンツの企画制作及び運営
●セミナー、展示会の企画及び実施運営
B2B向けのキャラクタービジネス総合サイト「CharaBiz.com」で様々な情報を発信しており、CharaBiz Membership 会員向けに、「CharaBiz.com」のFor Membersメニューや各種サービスを提供しています。
ご興味をお持ちの方は、こちらのアドレス(info@charabiz.com)、または電話番号(03-5776-2061)までお問合せください。
【書籍発刊のお知らせ】
2008年のキャラクター業界が一目で分かる「CharaBiz DATA2009⑧」
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キャラクター商品市場規模はもちろん、2008年の人気キャラクターランキングや「玩具」「アパレル」などの商品動向、2008年のビジネストピックスやターゲット別のキャラクター・商品アイテムランキングなど、キャラクタービジネスに役立つ情報が掲載されています。
特集として、対談でも登場した今年注目の「地域キャラクター」の傾向も掲載されています。詳しい情報は、こちらまで。
最終更新時間 2009年05月21日 09:46
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過日以来、キャラクターが頭から離れません。ゆるキャラの魅力…ひとつは、なんとなく自分から手を差し伸べてしまいたくなるポジションにあるのでは?なんて考えてます。で、消費者の自発性を刺激している点が強いと。いずれにしても、キャラクターの性格(キャラクター)分類なんてやってみたいですね。
『のらくろ館』…お供しますので、ぜひ参加型公開調査をお願いします。
p.s.『初音ミク』による処女作品発表には、あと2週間ぐらいかかりそうです。
投稿者 よしざわ : 2009年05月21日 15:28
吉澤さんコメントありがとうございます。
ゆるキャラはいろいろと隙や余地があるので、単にネタとして消費されるだけでなく、受け手の感情を刺激したり、参加を促すなどの効果が期待できるのかもしれませんね。
昨年10月に彦根市で開催されたゆるキャラまつりでは、参加者の老若男女の皆さんいずれもやたらと笑顔だったのが印象的でした。接した人の警戒心を解いて、思考をゆるくさせる作用があるんだろうな、と確信しています。
今後は、生活者にとって各々のキャラクターがどんな存在で、彼らのどんな欲求や願望を充たしているのか調べていこうと思っています。
『のらくろ館』、平日は21時まで、第1・第3月曜日以外いつもやってますので、6月の仕事帰りにでもぜひご一緒しましょう!
初音ミクを使った作品も、完成したらぜひ聞かせてください。
投稿者 野澤 : 2009年05月21日 16:31









