資料・トピック45 裁判員制度PRキャラクターについて
島耕作さま、社長就任おめでとうございます。
現実の企業よりも数多くのニュースになり、合わせてタイアップ商品がぬかりなく発売されるなど、これも「ビジネスにおけるキャラクター活用」のひとつの究極形だと実感しています。
先日記者のかたから取材を受けた内容が、5/19の東京新聞朝刊「TOKYO発」に『「自治キャラ」花盛り メッセージ自然に伝える』とのタイトルで掲載されました。
WEBでは有料会員でないと全文が読めませんが、職場等にバックナンバーがある方は、よろしかったらご覧ください。当連載でも紹介した「なみすけ」、「とつか再開発くん」に加えて「コバトン」などが画像付きで紹介されています。
「アダチン」のYouTube動画付きで、ご自身のBlog説明されているかたがいらっしゃいますので、こちらもご覧下さい。
他にも、月刊誌や週刊誌から「ご当地キャラ」や「ゆるキャラ」について取材を受けており、それぞれ6月第1週には掲載予定です。
これら一連の動きも、「ひこにゃん」や「せんとくん」が世間で注目されていることを反映した結果であり、当Blog連載のおかげです。関係各位にあらためて感謝致します。
さて今回は、裁判員制度PRに関する一連のキャラクター達の話題についてご紹介します。
2009/5/21のスタートまであと1年、最高裁判所や日弁連、法務省など各種官公庁・団体が、制度内容を周知徹底すべく、様々な活動を展開中です。例えば最高裁サイトでは「裁判員制度forキッズ」、法務省は「総務部総務課 山口六平太 裁判員プロジェクトはじめます!」などのコンテンツを用意しています。
ですが、今年1月の最高裁意識調査で回答者の4割弱が裁判員に「義務でも参加したくない」と答えたように、一般市民の意識とのギャップは未だ大きいようです。
そこで、広島地検の「けんさつコラボくん・けんさつコラボちゃん」を皮切りに、全国の各検察が裁判員制度PR用キャラクターを作る、という動きが活発化し、1月にはR25でも紹介されました。今では全国40の地検・高検など検察庁で計60種類もが存在するに至っています。
ちょっと調べただけでも、名古屋高検の「ナーポ(Nahppo)」、鹿児島地検の「かちけん君」、さいたま地検の「しらこばちゃん」、宇都宮地検の「べりぃちゃん」、福井地検の「やるカニ」などを見つけました。
他にも、地裁・家裁では千葉市の「ピー太くん&ナツ実ちゃん、ジャッジくん&フェアーちゃん」、日弁連の「サイサイ」など、枚挙に暇がありません。
こちらやこちら、こちらのかたがまとめて紹介していますが、複数キャラクターを束ねた公式サイトなどはないようです。
先週5/25に開催された赤れんがまつり2008では、人権イメージキャラクターの「人KENまもる君・人KENあゆみちゃん」や全国各地の検察庁による広報キャラクター達が勢ぞろいしました。法務省のサイトや横浜中央新報などのブログで、その様子をみることができます。
また、5/23には「サイバンインコ」の着ぐるみを着た鳩山法相の様子もニュースになりました。
おそらく各種PRイベントや説明会に花を添えることで、関係省庁・団体への親しみを高める、敷居を下げる、拒否感を軽減する、そして市民の参加意識を高める、などの目的があってのキャラクター開発かと思われますが、あまりの乱立ぶりに、こちらの読売新聞記事に代表されるような批判的な見方も広がっているようです。
現在の状況を整理するため、まず裁判員制度について考えてみました。
ここでその是非は問いませんが、関連官公庁・団体からすると、欧米諸国のように一般市民が裁判に参加する制度を作ることで、裁判が身近でわかりやすいものとなり、司法に対する信頼が向上することを期待しているそうです。ですが、現時点ではこの制度による市民側のベネフィットが何か、明確に説明しきれていないのでは。
先ほど紹介した最高裁意識調査結果をみても、不安、自信がない、仕事に支障が、といったネガティブイメージが払拭されていません。司法への参加が権利であり義務だ、と実感しにくい国民性があるのかもしれませんが。。。
国体・地方博などのイベントや地域活性化が目的であれば、地域の名産物や動植物をモチーフにしたご当地キャラクターの意味性は高く、「ひこにゃん」や「はばタン」のように地域の枠を超えて人気を集めるケースも最近目立っています。また、無関心層やメディアに対する話題喚起目的でキャラクターを使う方向性自体も、決して間違ってはいないと思います。
今回の件でも、キャラクター個々の中にはそれなりの意味づけやメッセージ性を備えたものが見受けられますが、表面的なバラエティ性が重視されて開発された(であろう)ものが多数入り混じっているため、悪貨が良貨を駆逐する形となり、十把一絡げ的見え方になってしまっているようです。
そもそも、裁判員制度に関する課題や市民に伝えたいメッセージは地域が違っても変わらないはずです。なのに、見た目・ネーミングとも全く統一感のないキャラクター達が互いの連携もないまま多数作られ、肝心の裁判員制度メッセンジャーとしての役割を担うことが心許ない現状では、単なるにぎやかし、広報経費のムダ遣いと批判されても仕方ありません。
関連官公庁・団体が市民との対話を心がけようとする姿勢はこれまでにないことであり、大いに評価されるべきなのに、何とももったいない限りです。
この辺で何がしかの工夫が必要なのでは、と思っていたところ、5/27に鳩山法相が「サイバンインコ」に統一するよう指示した、との朝日新聞「青鉛筆」記事をみかけました。
このキャラクターでも単にネーミング(駄洒落?)だけで、正直なところ裁判員制度との関連性の点で弱い気もしますが、うまく育てていけば次第に定着するかもしれません。
因みにYahoo!トレンドワードで「サイバンインコ」をみるとこんな感じです。
このようにキャラクターを一本化するにせよ、または全国の手作りキャラクター達を使った統一キャンペーンを展開する(着ぐるみが効果を発揮しそうです)にせよ、なぜいま裁判員制度が必要なのか、どうしたら食わず嫌い的反応を減らし市民の支持を得られるのか、理解してもらえるのか、そのあたりをきちんと考え、伝えるための継続的な戦略を練る必要があります。
裁判員制度が始まったら、いま以上に様々な視点で多くの意見が出てくるでしょうし、その時に向けてこれから一年間どんな広報活動を組み立てていくのか、大いに注目すべきでしょう。
長くなってしまいました。今回は以上です。それではまた。
最終更新時間 2008年05月30日 16:10
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追伸です。
6/3発売「SPA!」の「ゆるキャラの闇」特集(P155-)と、6/4発売「日経トレンディ」の「不思議ヒットを斬る 【ご当地変キャラ】」(P196-)で、それぞれコメントをしています。
「ゆるキャラ」の名付け親、みうらじゅんさんと同じ誌面に載って光栄です。
職場や書店、コンビニなどでお目に触れる機会のある方はぜひご覧いただき、お気に入りましたらご購入ください。
投稿者 野澤 : 2008年06月04日 22:56










