資料・トピック42 昭和の企業オリジナルキャラクター
まだ寒い日が続きますが、先日春一番が吹き荒れ、朝晩の冷え込みも若干和らいできました。もうすぐ三月ですねえ。一ヶ月ぶりの更新で恐縮です。。。
まず近況報告です。
CharaBiz.comを運営されているキャラクターデータバンクさんが主催するキャラクタービジネス実践講座「コーポレート&プロダクツ・キャラクター活用法」の第2回「コーポレート・キャラクターの効果とブランディング~多様化するコーポレート・キャラクター活用法~」にて講師役を仰せつかることになりました。3/13開講で、こちらが担当するのは3/18分です。
現在受講生募集中ですので、ご興味がおありの方は、なにとぞよろしくお願い致します。
ということで、企業キャラクターの活用効果や活用ケースに関する各種文献や資料を確認しているうちに、「そういえば、物心ついた頃から既に多くの企業キャラクターが一世を風靡していたなあ・・・」という疑問が浮かび上がってきました。
今年の夏に劇場映画が公開予定の「20世紀少年」原作マンガを初めて最後まで読んで、重要な登場人物の1人であるサダキヨ(またはカツマタ君?)が常に被っていたナショナルキッドのお面がどうにも気になったことが直接のきっかけだったりします。
Wikipediaによると、ナショナルキッドは昭和35年~36年に放送された空想特撮テレビ番組のキャラクターです。松下電器産業の一社提供で、キッドの武器、エロルヤ光線銃をナショナルの懐中電灯と同じ形にするなど、特撮ヒーローものとしてもマーチャンダイジング番組としても草分け的存在でした。因みに、その頃縁日などで売られていたお面はこんな感じで、20世紀少年での描写とは結構異なる印象ですね(そもそもマンガの中で具体名は出てませんが)。
先日、今年10月からパナソニックに社名変更するとの発表の際にも、ナショナルキッドについて触れた報道記事や個人のブログを幾つか見かけました。
同様の位置づけにあるキャラクターには、昭和42年~43年に放送された東芝一社提供の光速エスパーがありました(番組についてはこちらが詳しいです)。いずれも街の電気屋さんが元気だった頃の産物で、当時はチェーン店舗の軒先や店内にキャラクター人形が飾られていました。もっとも、40代以上の方でないとこれらのキャラクターには馴染みがないかもしれませんが。
かつて薬局店頭で多くみかけたサトちゃん(佐藤製薬)、ケロちゃん(興和)、ピョンちゃん(エスエス製薬)などと同様、何のお店か子どもやお年寄りにも認識させ、親しみ感を醸成させる意味で、あと系列店とメーカーの結束を高めるインナー効果も含め、多大な貢献があったのでは。いずれも、主な売り場が個人商店から大型量販店へと移っていきましたが、過去のキャラクター活用で形成された企業へのロイヤルティは、今も残っているものと思われます。
こちらは平成になってからの登場ですが、NECさんのバザールでござーるも、パーソナル商品対象の店頭誘引キャンペーン「NEC冬の情報生活市バザールでござーる」告知と、話題性による直販店・量販店などの売場活性化、グッズによる差別化を目的として誕生したキャラクターです。
1991年冬にテレビCMで登場して以来、2003年冬まで毎年数回ずつのキャンペーンが展開されました。店舗誘引・販促キャンペーンだけでなく、各種ノベルティグッズや、絵本、CD、テレビゲームなどにも活躍の場を広げ、日本の代表的な企業オリジナルキャラクターの一つとなっています。
「CMのCMキャンペーン」サイトの「CMのCMがよくワカル!!」→「CMライブラリ」→「1990~1999」で、最初のテレビCMを見ることができます。
今も公式サイトでは各種メニューが用意され、携帯待ち受け画像やオリジナルメールアドレスを入手できます。またバザールのお店では、各種グッズが販売され、公式ブログではブログパーツを用意するなど、様々な施策が展開されています。
2007年8月に出版された「まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ キャラクター編」では、昭和30~40年代にテレビCMや商品パッケージなどでお馴染みだった約100点の商品・企業キャラクターや商標が紹介されています。
いわゆる昭和レトロ本の類に属する内容ではありますが、かなり懐かしいキャラや、そんな意味が込められていたのか、と感心するキャラが多数あって興味深いものが。道頓堀のネオンで有名なグリコ「ゴールインマーク」が誕生するまでのエピソードや、赤城乳業「ガリガリくん」の変遷などはWEBで読むことも出来ます。
因みに著者の初見さんは1967年生まれだそうで、企業キャラクターは世代共通の話題・ネタとしてのパワーもあることをあらためて実感した次第です。「開運!なんでも鑑定団」などでよく話題になりますが、当時の販促グッズで高値となっているものも多いようです。
キャラクターとロゴ/シンボルなど商標の違いは、人格的特徴あるいは性格的なものを有するかどうか、だと一般的に言われています。
「まだある。」ではキャラクターとは呼びにくいロゴ/シンボルなど商標マークの紹介が半数近くを占めていますが、時代を経るにつれて、採用当初単なる商標だったシンボルマークが、デザイン変更だけでなく、細かい設定や性格付けが成され、テレビCMやグッズ、最近ではWEBサイトなど幅広い場で『キャラクター』として活躍するようになっていったケースも数多く紹介されています。
そういった意味でこの本は、商標が「キャラクター」性を備えた存在として認識されることで、消費者と企業・ブランドへの愛着形成やパーソナリティイメイージ強化、絆づくりに貢献していったことを示すケース事例集として読み解くことができます。また、企業・ブランドオリジナルキャラクターが、いかに消費者が幼い頃の出会いを豊かで思い出深いものにするかを示したエピソード集としても興味深いです。
今回は以上です。
次回は、平成以降、特に21世紀になってからの企業オリジナルキャラクターの変化に関するトピックを紹介予定ですので、なにとぞよろしくお願いします。
最終更新時間 2008年02月29日 13:40
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