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2007/12/27

第35回: 2007年総括 -キャラクター市場の二極化-

まだ年賀状も書けないまま、2008年まであと数日となりました。子年の賀状だと、アメリカ生まれのあのキャラクター辺りの図案が多そうですねえ。。。
ということで、今回は2007年の総括をまとめてみたいと思います。大きな傾向としては、「キャラクター市場の二極化」が進んだことが、キーワードとしてあげられます。

1)定番キャラクターの現状と新たな試み

2007年は一人勝ち的に大ブームとなったキャラクターがありませんでしたが、幅広い年代に支持されているトップクラスのキャラクターはここ数年不動で、これまでの延長線上で安定した支持を得続けたものが多かったように感じます。

背景としては、テレビアニメやアニメ映画などコンテンツの見られ方の変化があります。テレビ番組や映画全般にも当てはまることですが、HDDレコーダーによるタイムシフト視聴やGyaoBIGLOBEなどWEB動画配信サービス利用の増加によって、同じ時間や場所で同じコンテンツに触れる必然性が減ったことが、話題として盛り上がりを欠く一因となったことは否めません。
この傾向は、最近の高視聴率番組の多くがスポーツ中継であること(ビデオリサーチ社のデータコーナーをご参照ください)にも如実に現れています。

また、キッズ向けアニメの視聴率低下同様、少年マンガ誌の部数減も、新たな人気キャラクターが出てきにくい要因となっています。これらの背景には、少子化、塾・習い事通い、WEBや携帯ゲーム機の普及に加え、子ども自身の嗜好の変化もありそうです。

よって、確実にファミリー層が見込める優良コンテンツ&プロパティとして、既に人気が確立した有名キャラクターの優位性はまだまだ続きそうです。

これら、マンガ・アニメ・ゲームなどのコンテンツに出自を持つ定番キャラクターは、露出オーバーで飽きられることがないよう、年一回の劇場版と付帯イベント・宣伝キャンペーンで鮮度と話題性を保つパターンが一般的です。
そのような中、こち亀ゲームぱ~く(2006年3月OPEN)や横浜アンパンマンミュージアム(2007年4月OPEN)、ゲーセンクレヨンしんちゃん嵐を呼ぶブリブリシネマスタジオ(2007年11月OPEN)など、来場者には直接体験として、非来場者にもメディアやWEBを通したネタとして、キャラクターやグッズを通しての世界観や情報発信が常時可能なファミリー向けアミューズメント施設が、あらためて注目されています。

ちなみに東京ディズニーランドディズニーシーの入園者数も、2006年度は過去最高の2581万6000人(前年度比104.2%)、2007年度前半は1217万人(前年同期比101.0%)と、極めて元気でした。

一方、企業オリジナルキャラクターに限定すると、企業不祥事などの事件をきっかけにして話題となったキャラクターも例外的に幾つかありましたが、今年はテレビCMで大量出稿されたものが少ないこともあって、話題となる機会が相対的に少なかったようです。

既存有名キャラを使ったアミューズメント施設が活況を呈している今、店頭やショールーム、イベント会場など、消費者が商品に直接触れられる場で企業キャラクターをうまく使うことが、キャラクターを媒介とした企業・ブランドと消費者の絆を形成する上で、より重要となってくるのではないでしょうか。

2)ニッチ・懐かしキャラクターの復活とロングテール化

1996年に本格開始して以来、地上波各局や独立UHF局で深夜アニメが大量に放送されるようになって久しいです。これらはDVDソフトや原作(コミック、ゲーム、ライトノベルなど)の販売を目的として放送されるケースが殆どで、現在では放送アニメ全体の2割以上を占めるに至っています。

最近では、CS局の専門チャンネル(アニマックスキッズステーションディズニーチャンネルカートゥーンネットワークファミリー劇場フジテレビ721+739AT-X東映チャンネルチャンネルNECOなど)や前述のWEB動画配信サービスなどで、1)定番のキッズ向けアニメ2)70~80年代を中心とした懐かしのアニメ・特撮3)地上波や独立UHF局の深夜枠で以前放送されていたコア層(オタク・腐女子)向けアニメ、が大量に放送・配信されています。
他にもWOWOWBS11(2007年12月開局)で、アニメ・特撮の新作や再放送が目白押しです。

受信料支払いやアンテナ・チューナー設置などの負担やWEBアクセスの手間はかかるとはいえ、消費者にとっては選択の自由が広がり、ライセンサーにとっては過去の資産を活かせる(かもしれない)時代が来たといえます。
YouTubeニコニコ動画のように、コメント付きの動画がネタになったり著作権を侵害するケースもみられるため手放しで喜べないのが実情かもしれませんが、フリーライダーだけでなく、これらを通して初めて知ることで(または数十年ぶりにそのキャラクターを思い出すことで)、DVDソフトや原作、グッズを買う人も決して少なくないようです。

アニマックスの「ドラゴンボール」やファミリー劇場の「ウルトラマンシリーズ」のように、再放送を重ねることで、過去のファン(主に親世代です)や新たなファン(キッズ・ティーンや若いオタク達です)を掘り起こし、再DVD化、パチンコ化、グッズ化(高額フィギュアやシャア専用携帯のような限定生産商品も含まれます)などが見込めるわけで、これはもうキャラクタービジネスのロングテール現象といえます。中には、2007年9月の新劇場版「新世紀エヴァンゲリオン」復活に象徴されるように、新作・続編の製作に結びつくケースもあり、費用対効果の点でも意外と侮れません。

あと今年は、「もえたん」などオタク向けの萌え系アニメに加え、「鋼鉄三国志」「ZOMBIE-LOAN」など腐女子向けBL系要素が強いアニメが増えたこともトピックといえます。
最近は、キッズが主な支持層だった少年ジャンプ原作アニメ、ロボットSFアニメ、特撮などのファンに腐女子の占める割合が多くなってますが、前回の「ジャンプフェスタ」レポートで実感した通り、今は製作側もこの辺りの事情をわかった上で、彼女達向けの様々なプロモーション展開を行っているようです。

他にも、「ひこにゃん」に代表されるような、主にWEBやイベント会場で注目を集めたキャラクターもいました。昨年一斉を風靡した「やわらか戦車」とともに、WEB動画配信サービスの浸透なしにこのような現象は発生しなかったわけで、これまた興味深いです。

3)2008年に向けて

以上のように、ファミリー向けに定番キャラクター、コア層向けにニッチ・懐かしキャラクター、といった二極化がさらに進んだ一年でした。
いずれについても、ファンサイトやSNSなどWEBによる相互コミュニケーションや、特別な限定された時間や場所での直接体験が、キャラクターと消費者の絆を深める場やツールとして機能しているようで、これは最近の企業やブランドと消費者の関係と同様の傾向です。キャラクター自体が企業コミュニケーション活動にとってブランドを構成する一要素ですし、いわば当然の帰結かもしれません。

来年は企業コミュニケーション活動におけるキャラクターの活用効果について、特に「絆」作りなど長期的な効果・効能について言及していければ、と思っています。

今年の更新はこれで最後です。皆さんどうもありがとうございました。
2008年も引き続きよろしくお願い致します。それではよいお年を。

最終更新時間 2007年12月27日 10:58

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