年金の「5年の時効」って?
先週、「別件」で近くの社会保険事務所を訪れると、満員御礼の混雑ぶり。私は「別件」だったので横をすっと通り抜けただけですが、「本件」で訪れた方々は、くたびれたご様子。
そう、その本件とは、年金相談。新聞報道にありますとおり、あの「5,000万件」発表以来、自分の年金加入記録を何とか確認しようと、相談者がひっきりなしの大繁盛なのです。
実はこの件、件数が同じだったかはともかくも、昨年か今年の初めにも報道されているはず。新聞で見て、やはりその該当者不明の加入記録の件数の多さに「ゲゲっ!」と思ったものでした。
今回、これだけ騒動になっているのはもちろん、7月に選挙を控えているから。
民主党を筆頭に、TV、新聞その他のメディアが火をつけまくっていますから、それはもう、ぼうぼう燃えています。
どんなイベントにも、集客するには話題性が大事。
さてこの年金騒動の中で気になるのは、先週の国会に突然法案が提出されて、その日のうちに委員会で可決された「年金時効撤廃法案」。
国会での採決時の模様が、TVで頻繁に流れていましたが、混乱の中で採決しようとする委員長の口を、野党議員が手で押さえるようで押さえない、あの妙な光景が印象的でした。
国会議員に最も必要な能力は、リアリティのある演技力だったのではないでしょうか?
ところで、年金の時効って何なのでしょうか?
そもそも公的年金は、受け取ることができる日から5年以内に請求しないと、もう、受け取れなくなるのです。
まあ、逆に言うと、請求モレがあったとしても、過去5年分はまとめて受け取れるとも言えるわけですけど、、、。
今回の急ごしらえの法案は、この5年間の時効を撤廃しようというもの。
「本当はむかし年金の保険料をちゃんと支払ったのに、その記録がちゃんとされていないことが原因で受け取れないのは、いかにもかわいそうだ」
たとえば、年金を20年間もらい続けているいま80歳の人。
実はこの人、過去の保険料支払いの一部が、ちゃんと記録されておらず、少ない年金を、ずっともらっていたとします。
この人、記録モレが判明すれば、それ以降、真に正しい年金額をもらえます。ただ、現在の仕組みだと、過去にさかのぼって差額をもらえるのは、5年間だけ。
それを、過去20年間、つまり、時効をなくしてずっとさかのぼれることができるようにしようというのがこの法案。
私たちにとっては、嬉しい話、というか当たり前の話。
ただこの件、もっと具体的に見ていくと、いろいろな課題もあるのです。過去分をまとめてどっともらえるのはいいのですが、その金額によっては、その年だけ所得が一気に増えて、これまでは非課税だったのに税金がかかるとか・・・。
税金がかかると、他への影響も出てきます。
医療費の自己負担や介護保険の自己負担が、これまたどっと増える可能性があるのです。
特に年金生活のお年寄りの社会保険の仕組みは、年金、医療保険、介護保険、税金、これからが複雑に絡み合ってできています。
役所に聞いても、それぞれが縦割りで、なかなか全体が見えないようになっています。
税金、特に住民税がかかるようになるか、これまで通りかからないか?
この線の向こうか、こちらかで大きく異なってきますので、要注意。
最終更新時間 2007年06月04日 07:30
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