子供がいる方の生命保険の考え方。
とても嬉しいことに、つい先日、読者の方から次のようなご質問をいただきました。
ここのテーマに取り上げて欲しいとの要望でしたので、質問ごと記載させていただきたいと思います。というのは、このご質問そのものに、とても大切な内容が含まれているからです。
>いつもメルマガを愛読させて頂いております。
>現在、夫の死亡保障の保険に加入しようかと考えているのですが
>ぜひメルマガで取り上げて頂けないでしょうか?
>
>例えば、子供が一人で妻が専業主婦、マイホームありの場合
>子供が何歳から何歳まではいくらぐらいの死亡保障が必要なのか?
(←できれば年齢ごとの金額)
>死亡保障を見直すタイミング(例えば5年ごととか)など
>賢い死亡保障の掛け方を教えて下さい。
この質問をお寄せいただいた方は、生命保険についての勉強をご自分なりになさっているのだということがわかります。必要な保障額を算出する際に押さえるべき項目が、かなり網羅されているからです。
医療保障や終身死亡保障については、ある程度のパターンがあります。
医療保障は自分が生きるための保険なので、一生涯保障が続くものがよく、入院給付金は、5,000円とか10,000円が相場です。個人的には入院給付金は5,000円程度でよいと思っています。
終身死亡保障は、一般的に葬儀代程度ですから、保険金は200万円~500万円程度。個人的にはこの終身死亡保障は加入の優先順位が低いと考えています。
いずれにしても、この2つは、ある程度の貯蓄があれば不足分をカバーできるものです。保険よりも「お金」のほうが使い勝手がいいのは間違いありませんから、貯蓄でカバーすることを前提として、最低限の給付金、保険金でいいと思うのです。
しかし、ご質問の主旨は「定期死亡保険」でしょう。
お子さんの養育や教育でこれからお金が必要なときに、万が一のことの発生にどう備えるか?ということでしょう。
これはちょっとやそっとの貯蓄ではカバーしきれません。
こんなときこそ「保険」がその真価を発揮するのですし、保険とはそんなときのために発明された金融商品なのです。
ただ、「定期保険」の必要保障額の算出はとても難しい。
というのは、保障額が各家庭によってマチマチだからです。また、個々の家庭でも、夫の死亡後の生活をどう考えるかによって、保障額は大きくもなり、小さくもなるのです。大小の違いは数千万円にもなるでしょう。
数百万円程度であれば、パターンができるのですが、数千万円も違いが出ると、支払う保険料に差が出てきます。基本パターンを作れないのです。
上の質問には、項目はある程度網羅されていますが、必要保障額をはじき出すにはもっともっと細かい情報が必要になるのです。
ですから、ここでは、たとえば、保険会社の外務員に保険の見積もりをしてもらうときに伝える情報の観点や注意点をお知らせしようと思います。
■夫の情報
会社員なのか自営業なのかによって、死亡したときに支給される公的年金が異なります。会社員であれば、給与額や厚生年金への加入期間によって遺族厚生年金の額も違います。また、会社員は死亡時に会社から死亡退職金の支給があるはずです。
当然のことながら、これらをどう見積もるかによって死亡保障額はぜんぜん違うのです。
■子供の情報
子供が今何歳なのかによって、保険の期間が決まります。大学まで進学させる予定であれば、23歳~25歳時までを期間にすればよいでしょう。
もちろん、子供にどんな教育を受けさせるつもりがあるか?によっても保障額は相当な開きが生じます。
私立主体の学校教育なのか、国公立主体なのかによってそれこそ合計1,000万円以上の違いだって出るのです。また、子供の年齢ごとの必要保障額も強く影響を受けます。
■マイホームの情報
住宅ローンを組んでいる場合、ローンの契約者が死亡したら、ローンがなくなります。残った不動産は遺族が相続します。
夫が死亡するような事態は、不測の事態です。遺族がそのままその家に住み続けるのかということも検討すべきかもしれません。奥さんが実家に帰る
という選択肢もあるのです。
その場合、空家になる自宅を賃貸に出したり、売却して換金すれば、それだけ、必要保障額は少なくてすみます。
■妻の情報
夫が亡くなるような非常事態でも、これまでと同様に一切働かないのか?は検討したほうがいいでしょう。
働かないのならば、それだけたくさんの保険金が必要ですし、働くのなら保険金は少なくてすみます。また、働いていくら稼ぐのか、何年働くのかという情報も必要です。
■その他
そもそも現在、どれくらいの生活費で生活しているのか、夫が死亡した場合もずっと生活費は変化しないのか、あるいは、どれくらい減らすことができるのか、によって、やっぱり保障額はぜんぜん違います。
また、今お宅にいくらのお金があるのでしょう。
すでに3億円の金融資産があるのであれば、これまでの話はまったくなかたことにしていただいても結構なのです。お金があれば保険は必要ありませんから。・・・いくらあるにしても、預貯金があればそれだけ必要な保障額は少なくてすむのです。
「標準的な世帯で、マイホームあり、子供一人、妻は専業主婦だと○○○万円程度が妥当です」という○○○万円には、ほとんど根拠がないと思っていただいて結構です。
上の「必要情報」を読んでいただければ、考え方の匙加減ひとつで、数千万円の違いが出ることをわかっていただけるのではないでしょうか?
ちなみに、夫の死後、妻が年収100万円で10年間働けば、1,000万円の違いが出るのです。
いろいろな条件で保障額を設定し、保険料の見積もりをとります。そして最後は、現在の家計への負担感のバランスをじっくり考えて「エイ!」と決断するのです。
最終更新時間 2007年05月23日 07:30
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毎回楽しみに拝見しております。この号を本日確認したのですが、まさに自分の事とぴったりだったので参考になりました。実は昨年11月17日に夫が急性心筋梗塞で急逝しました。自営業だったので、夫が亡くなった後は色んな事が大変で、後に残された私を含め子供2人の今後の生活設計は一から仕切り直しという事になりました。私は会社員なので先生がご指摘されたような
設計ができるのですが、自営業の場合、生命保険も病気の時に補填される最低限の金額しかかけていない(かけれなかった)ので当然死亡する事を前提にしていませんでしたから、夫が亡くなった後は何もありませんでした。今は私が健康で会社員を続け、子供2人(中学2年生と保育園の年長)を自立できる大人に育て
るのが目標になりました。
投稿者 坂本 美恵子 : 2007年05月24日 11:40
坂本様
ブログを読んで、感想を寄せていただきありがとうございます。
坂本さんのコメントを読みあらためて「生命保険」について考えました。
生命保険をうまく使うことの大切さを、少しでも多くの人に理解していただくことは、私たちFPの重要な仕事のひとつです。
新しく掲げられた坂本さんの目標の達成を心から応援しています。
投稿者 FP中村 : 2007年05月24日 13:46










