いまさら聞けない株式の「持ち合い」。
資産運用をしようとすると、直接的であれ、間接的であれ、「株式」とお付き合いをせざるをえません。
ここ数年来の「株式の持ち合い解消」の動きは、私たち投資家にとってどんなメリットがあるのでしょうか?
まず、株式と会社の経営権の関係を整理してみましょう。
小学生のころから、会議といえば1人1票が原則で、最終的には過半数の賛成、反対でものごとが決まってきました。
ところが、株主総会は違います。1株1票が原則。したがって、たった1人でも、会社が発行する株式の過半数を持っていれば、その会社の経営権を手に入れることができるのです。
現在、村上ファンドと阪神電鉄を巡って、阪急電鉄まで巻き込んで、ああだこうだとさまざま、言われていますが、つまるところは単純な話、村上ファンドがお金にモノを言わせて、阪神電鉄の発行株式数のほぼ過半数を手中におさめたがために、阪神電鉄の経営陣が泡を吹いているのです。
おまけに阪神タイガースの株式の多くを阪神電鉄が持っていますから、いわば阪神タイガースは子会社。親会社である阪神電鉄の経営権を持つということは、阪神タイガースの経営にまで口や手を出すことができるのです。
実際に会社の経営を担当する取締役は株主総会で決まります。取締役会では、代表取締役を決めることができます。発行株式数の過半数を手に入れることは、その会社や子会社が行う多くのことを決めることができるのです。
かつては、他の会社、あるいは銀行に自分の会社の株式を一定割合保有してもらっている会社が多くありました。
たとえば、A、B、Cの3社にそれぞれ20%ずつ、自分の会社の株式を持ってもらっているとしましょう。儲かっているときも損してるときも、大きな声で文句を言うことなく、じっと長い間保有することが約束です。
自分の会社の株をA、B、Cの3社に合計60%保有してもらっていれば、他のだれか1人(1社)に買収される恐れはありません。残りのすべての株式を手に入れられたとしても、40%分では経営権を取得されることにはならないからです。
これが「株式の持ち合い」です。
この「持ち合い」が、どんどん解消されてきました。保有する会社の株価がどんどん下落したこと。また、一定以上株価が下落した場合には、損失を計上しなければならなくなったことなどによって、他社の株式を持つことが自分の会社の経営に悪影響を及ぼし始めたからです。
「背に腹はかえられない」・・・保有する会社の株式が、ドンドン手放されはじめたのです。
代わりに株を購入するのは「モノを言う株主」です。
「おたくに投資してるんだから、もっと利益を上げろ!配当をよこせ!株価を上げる努力をせよ!」
企業の経営者は、これまで以上の緊張感を持って経営に臨む必要があるでしょう。実績を上げられない経営者は株主から「No」を突きつけられるで
しょう。
ですから、株式の持ち合い解消の動きは、私たち投資家にとっては、運用成果が期待できる現象だといえるのです。
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最終更新時間 2006年05月25日 07:30
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