ロブションのホスピタリティ
今年の夏休みはフランスとイタリアを旅行した。さて、フランスといえばグルメの国。さっそく定評のあるミシュラン2006年版を買い込んだ。
国民性も手伝ってミシュランのレストラン評価は社会の注目を集め、毎年どのレストランの星が増えたとか減ったとかが報道される。こうなると評価する方も真剣で、公正を期すために覆面で調査が行われているそうだ。日本語のガイドブックとは真剣さが違う。その分、信頼もおけるというものだ。
2006年版では、パリにおいて新たに3つ星を獲得したお店はなかった。となると、パリの話題をさらったのは、2つ星に昇格した2店だ。1店は元々3つ星だったレストランがカジュアル路線に変更して店名を変えたもので、実質は降格にあたる。そして注目のもう1店が、今回訪れた「ラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブション」である。
パリ16区にあるラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブション
伝説のグラン・シェフのジョエル・ロブション氏はかつて39才で3つ星を獲得した天才だ。当時から50才になったら引退すると表明しており、事実一旦は52才で引退した。その彼が、ここ数年で世界にレストランを何店も開店している。
レストランは大きく分けると「ラ・ターブル」系と「アトリエ」系に分かれ、日本でも前者は恵比寿に、後者は六本木にお店を構えている。パリにもそれぞれお店があり、「ラ・ターブル」は2006年に2つ星、「アトリエ」も1つ星にいきなりランク・インした。
レストラン共通のコンセプトは、「コンビビアリテ (懇親性)」。スタッフとお客様が気軽に会話を楽しむ空間ということらしい。東京ではロブション氏とお客様が談笑している姿が報道されている。しかし、これには正直驚いた。なぜなら、聞いていたロブション氏の仕事の仕方とまるでコンセプトが違うからだ。
3つ星を獲得したころのロブション氏は、厨房を一歩も出ずに料理に集中していた。自らはほとんど料理を作らず、弟子の料理人が仕上げた料理をお客様に出す前に厳しくチェックした。そして修正や作り直しの指示が飛び交う。お弟子さんは、それはもう必至でロブション氏のために料理を作ったそうだ。どこかしら、音楽の質を決めるが自らは音を出さない指揮者に似ている(フランス語では指揮者をシェフ・ド・オーケストラという。シェフは英語のチーフと同じで「長」という意味)。
ロブション氏のレストラン哲学の変化に注目したい。
今回は、パリに住む友人と彼女の赤ちゃんと共に3人でレストランに伺った。
そこで最も感動したのが、給仕さんの即興的なコンビビアリテ、ホスピタリティだ。赤ちゃんを見ると、隣のテーブルのイスに布を飾り付けて即席ベットを作ってくれた。赤ちゃんを抱きかかえてあやしてくれたり、「ミディアムにする?それともレア?」と冗談を言ったり。奥の席に日本人の母娘2人組の方がいらっしゃった。給仕さんは赤ちゃんを抱えて彼女たちに近づいて、しばらく談笑していた。僕たちとも自然に目が合う。帰り際に彼女たちが僕たちに微笑みながら話しかけてくれた。しばらく会話を楽しんだ。
父性本能?をくすぐられまくり
食事や赤ちゃんは人間をオープンで暖かな気持ちにさせ、人と人との絆を強めるものだとしみじみ感じた(子供を持つのもいいなぁとも思った)。このような心温まる空間の提供を、ロブション氏は大切にしようと意図したのだろうか。
最終更新時間 2006年09月07日 22:07
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トラックバック時刻: 2007年03月23日 14:10
来月、恵比寿のラ・ターブルにいってみようと思います。
恵比寿のほうは行かれたことはありましたか?もしあれば、雰囲気などを教えてください。
投稿者 ハレクラニ : 2006年09月17日 16:57
ハレクラニさん、コメントありがとうございます。
恵比寿のお店はまだ行っておりませんが、ロブションとしては力を入れているお店のようです。
同じ料理でも、味付けをお客様に合わせて日本とパリで変えているようですね。
投稿者 水野文博 : 2006年09月20日 16:38
ハレクラニさん、
下記をgoogleで検索するとロブション全店の中での恵比寿の評価が書かれています。
(ラ・ターブル ロブション "cube paris" -"new york")
投稿者 水野文博 : 2006年09月20日 16:43
ありがとうございます!! 10/4にいこうと思ったのに、貸切よやくがありました。水野さんのページを見ていると、本当に楽しく幸せな気持ちになります。これからも拝見させていただきます。本当に素敵なサイトに感謝します♪
投稿者 ハレクラニ : 2006年09月25日 11:06










