レストランのメニュー開発や料理の味付けにマーケティングは不要?
シェフはどのようにメニューや味付けを決めるのでしょうか。お客様におもねっていてはダメで、お店やシェフのポリシーを貫くことが重要との意見がありますが、はたして本当でしょうか。
企業でマーケティングに携わる身からすると、どうも納得がいきません。お客様のニーズを知ることから出発することに、なにか問題があるのでしょうか。
確かにシェフはお客様と身近に接しており、「お客様の喜ぶ顔を見るのが楽しみ」というシェフは多いです。でも、メニュー開発となったとたんに厨房にこもってしまうような気もします。
超人気店の売上も、一人ひとりのお客様が、沢山あるお金の使い道の中から、そのレストラン、その料理を選んでくれていることから成り立っています。そう考えると、一人ひとりのオケージョン、ニーズを深く理解し、相手を感動させるところまで対応していくことは、とても重要だと思います。
でも、現実には一人ひとりに対応していては身が持たない。効率化を図るべく、類似のニーズを纏めてセグメント化します。ちなみにこの場合、市場を細分化するアプローチではなく、類似したニーズを括って纏めることがポイントです。
いくつかのカテゴリーのレストランを分析してみると、ニーズの読み方にはいろいろあることが分かります。
ミシュランの三ツ星高級店は、欧州上流社会をコア顧客と定め、その厳しい顧客とのせめぎあいの中で「創造」が生まれています。売上の多くは、彼らのライフスタイルのオーラを求める「その他」お客様から来ているにしても、です。
一方、社食や定食屋さんでは、基本的機能を満たして値段も手ごろであればよく、作り手はお客様と同じ気持ちで料理を評価できます。
マクドナルドやファミレスでは、ある程度のメニューを揃えた上で、POSなどの情報をもとに迅速に売れ筋死に筋を判断してSCMを対応させているのでしょうか。
ではこのブログでよく取り上げている、予算3,000円から7,000円くらいの、ちょっとしたトンガリのあるレストラン達はどうでしょうか。このカテゴリーは、当るも八卦当らぬも八卦、同業他社をわき目に見ながらも、オーナーやシェフの思い入れで突っ走っているパターンが多いような気がします。
客としては、それはそれでとっても楽しいのですが、しかし安定したレストラン経営の観点からは、お客様が何を考えながら自分のレストランで食事をとるのかを知ることは重要です。
お客様が何を考えているかは、食べている本人に直接尋ねれば、普通は教えてくれます。会計を一割引にすれば、ほぼ確実に教えてくれます。客としては、それはとってもとっても嬉しいことです。マーケティングは、とっても身近で単純なところから始めることができると思います(笑)。
最終更新時間 2005年07月11日 19:27
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ちょっと奇妙に聞こえるかもしれませんが、レストランが「皿の上」で表現できることは(残念ながら)限定的です。
レストランというのは「総合芸術」のようなもので、内装やサービススタイル、そして空調などの要素を含めての「皿(料理)」を表現する場なのだと私は理解しています。
逆説的に言えば、仮に味やプレゼンテーション(盛り付け)だけで評価するのであればデリ(惣菜)でもいいわけです。
(これが全て、というわけでは無いですが)「レストランで食事をするということ」には、その店の「型にはまる」事でもある訳です。つまり、店は「型」を持っている、という事です。
故に、コモディティ的商品のようなマーケティングが必ずしも適応しないのではないかと思うのです。結局、レストランというのは「装置産業」的側面もありますので・・・。
無論、「型にはめる」事に執着しすぎて、顧客のニーズを無視する店も散見されますし、そういう店は論外である事は当然でありますが・・・。
故に、顧客のニーズと付かず離れずのスタンスを上手く取りつつ、店の型を維持できる店は、ボンディングの強い店である、という事になるように思います。
投稿者 ノートリアス : 2005年07月15日 19:18
ノートリアスさん、コメントありがとうございます。
「総合芸術」「型にはまる」「ボンディングの強い店」、納得感のある言葉ですね。
言葉からの連想ですが、オペラや映画(映画館で観る)を思い出しました。
投稿者 水野文博 : 2005年07月29日 20:31










