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2005/09/09

オープンソース分野におけるリーダーシップ

「オープンソース・コンベンション(OSCON)」に行くと、さまざまなオープンソース・プロジェクトに関わる面白い人達と会えるのが最高だね。最近、オープンソース・イニシアティブ(OSI)モジラ財団(Mozilla Foundation)の理事になったこともあって、OSIチームとモジラ財団のChief Lizard Wrangler (トカゲ世話役主任)であるミッチェル・ベイカーから大勢の人を紹介してもらったよ。

なかでも、ミッチェルが開いてくれた会議の1つで、パール財団(Perl Foundation)アリソン・ランダル、元MySQL ABコミュニティ提唱者のザック・グリアント、そして、最近までBEAの「WebLogic Workshop」製品の標準およびオープンソース戦略を率いていたクリフ・シュミットと意見交換したけど、とても興味深いものだった。ちょうど今、モジラ財団は大きく変化している最中で、ミッチェルは、成功したオープンソース・プロジェクトがどんな風に管理されているかを理解するため、いろんな人の話を聞いているんだ。モジラ財団が変貌を遂げ大きく成長するために、できるだけ多くの知識を得ようとしている。こうした話し合いに僕も最近行くようになったけど、物凄く触発されるよ。


とくに、この会議は、OSCONで感じた驚きと感動を彷彿とさせるような、瞠目に値する会議だったんだ。ミッチェルからは、自分の役割と役割に要求される内容をそれぞれ自己紹介するように言われた。最初にアリソンが自己紹介をしたんだけど、そのときの様子がミッチェルのブログにこう書かれている

ミッチェルのブログ:


たとえば、財団を率いるためには何が必要なのでしょう?アリソンは、単純に思えるようなことでも、きめ細かな対応をしなければ大きな問題と摩擦を引き起こすことにもなりかねないので、人々の感覚を敏感に察知する優れた直感力が必要だとしています。問題を収束させるタイミング、また、問題が完全に解決したことを確認するタイミングをうまくつかむことが必要であり、共通点や妥協点を見つける能力、また人々が共通点や妥協点を見つけられるように導く十分な存在感(または信頼感、評判、その他の"何か")が必要だと言っています。会議にいた全員が、似たような職務内容とスキルを持っていることが分かりました。

これを読んで、VISA創設者のディー・ホックが書いた「リーダーとフォロワー」というエッセイを思い出したよ。(全部読むことをオススメする)

リーダーとフォロワー:


真のリーダーとは、コミュニティの考えや意識を集約できる者であるーーそのコミュニティの意識に従った行動を象徴的に示し、正当化し、そして強化することのできる人物、ーーそのコミュニティの意識や共有価値および信念を浮かび上がらせ、育くみ、そして世代から世代へ受け継いでいく人物、ーーまた、その価値を生み出すことができる人物である。真のリーダーの行動は、どこに導かれるべきかを決めた個人1人1人の行動により誘発される。真のリーダーは、権威をふりかざすのではなく、下から上へのボトムアップを重視し、コミュニティや人々との協力に重きを置いている。

オープンソース・プロジェクトのリーダーやオープンソース・コミュニティ全般を見ると、ディー・ホックの言うリーダーシップを強く感じるんだ。もちろん、オープンソース・プロジェクトのなかにも政治的なかけひきや次元の低い問題もあるし、オープンソース分野以外のリーダーでディー・ホック的なリーダーも存在するよ。だけど、オープンソース分野のリーダーはとくに、真のリーダー像を彷彿とさせる何か特別なものを持っていると思う。彼らは、強い倫理観を持ち、謙虚で、コミュニティのニーズにきわめて敏感だ。そして、権威をふりかざすことよりも、調整やマネジメントを通すことで組織を引っ張っている。

一方、CEO向けの様々な会議で話した内容には、こうした感覚とはまったく対照的なものがあったよ。人間を歯車か何かのような感じで「人的資源」について話し合っているし、CEOはより大きな金と権力を持つことを許された特権を持つと思っているようだね。繰り返すけれども、双方ともに多くの例外があることを付け加えておくよ。だけど、オープンソースのリーダー達と話したとき、企業のCEOと話しているよりも、組織の未来像を見ているような気になったんだ。

僕は、オープンソースの成功やモジラ財団は1つの実験であり、新しい組織マネジメント・スタイルの好例となると思っている。(注:DBAタグ参照) オープンソース分野以外の優れたリーダー達も、社員や顧客、株主をコミュニティとしていかに扱うかを試行錯誤しているが、そうした試みはまだまだ例外であり、一般的には定着していないからね。オープンソース分野のリーダーは、あらゆる形態の組織にとって適用できる多くの教訓を持つと信じているよ。

最終更新時間 2005年09月09日 10:09

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