マスコミとローマ法皇とトニー・バーナ
昨日、インスタントメッセージをしていたときボリスが面白いことを言っていた。「ローマ法皇は、マスメディアの中で生き続けるよ。とても強力な影響を世界中の人々に与えた、マスコミ化された初めてのローマ法皇として永遠に忘れることはないだろうね。今までのどのローマ法皇よりも、彼が存在したことを立証する証拠が残っているんだから。ヨハネ・パウロ2世は永遠に亡くなることなんてないんだよ、僕たちが記憶装置を持っている限りね。」
かつて僕がMSMで働いていた時、トニー・バーナと出逢った。プレイバック(特にスポーツなどのプレー直後のビデオ再生)の発案者であり、あの有名な“ライブ・エイド”に関わったこともある。他の誰よりも、トニーからテレビ放送の仕事について教えてもらった。ある日、トニーが彼の大変興味深い仕事相手となった、ローマ法皇の話をしてくれたことを今でも覚えている。この話を聞いた時、ローマ法皇をマスコミに登場させるという影響力について考えたものだ。そこで、今回トニーにEmailで、その時の話をしてもらえないかとお願いすることにした。
~トニーのメールから~
ジョイさんこんにちは
ローマ法王、ヨハネ・パウロ2世が逝去され、どう思ったかを聞かせてくれてありがとう。1986年に「世界平和への祈り」という1時間の生番組をプロデューサー、またディレクターを兼ねて僕が製作したのを覚えているかな?“ライブ・エイド”と”スポーツ・エイド“をボブ・ゲルドフと組んで演出した僕は、かなり自信過剰になっていたので、そのとき最大であったサテライトテレビ放送でバチカンを中継したいと考えたんだ。
僕のアイデアは、ローマ法王に熱心な信徒が祈りを捧げる世界5大陸での礼拝集会を先導してもらおうというものだった。その番組では、1言語ずつ交互に最初の祈りの部分をローマ法王が行い、その言語の都市へと中継を移してその都市の信徒の様子を映し出すのだ。その言語と都市は、例えは次のようになる。フランス語:パリ、ダカール、英語:ノック、カルカッタ、ポルトガル語:リスボン、リオ、スペイン語:メキシコシティー、マドリッド、ドイツ語:フランクフルト、マリツェル
加えて、僕は仕事を通じてよく知っていたこともあり、ポーランドのチェンストホーバーに修道院を訪れておられたマザー・テレサに、ローマからの生放送の冒頭を飾る感動的なイントロを押し付けるようにお願いしてしまった。マザー・テレサは、言葉では表すことができない程、素晴らしい方だった。
ゲルドフのプロジェクトに加えて、大司教も読んで下さったという、アメリカのコミュニケーションについて書いた本を2冊出版していたため、僕のヨーロッパでの評判は上々だった。しかし、みんな僕のアイデアを聞くと、とても心配して、中にはローマ法王は他人が製作した番組なんかに出ないよと忠告してくれる人までいた。しかし誰にも僕を止めることはできず、ついにローマ法王にお目にかかれることになった。妻のキャロルは熱心なルター派だったので、ローマ法王を見るなり教会から飛び出してしまうんじゃないかという勢いだったが、なんとか妻をなだめ、ローマ法王が僕たちの方へ歩み寄ってきて下さった。なんとも気遣いの行き届いた、心のこもったお方だった。そして、僕の手をとり、このアイデアが実行できるようにと短い祈りを捧げて下さった。ヨハネ・パウロ2世は、コミュニケーションがとれ、メディアの力を理解されていると信じていたから、こういう流れになると期待してたんだ。形式上、枢機卿会議で審議が行われた後、実行へと移った。
1時間の生放送は、グローバルメディア社だけでは予算が足りず、一部はBICの助成金にてまかなった。5大陸16カ国(アルゼンチン:ルサン、オーストリア:マリツェル、ブラジル:リオ、カナダ:ケベック、フランス:ルルド、ドイツ:フランクフルト、インド:ボンベイ、メキシコ:グアダルペ、パラグアイ:カークペ、フィリピン:マニラ、ポルトガル:ファティマ、セネガル:ダカール、スペイン:サラゴサ、ポーランド:チェンストホーバ、アイルランド:ノック、アメリカ:ワシントンD.C.)でのサテライト放送を行うために、予算は200万ドルととても高かった。すべては、1987年7月8日の下院連邦議会議事録にて報告、立証されている。
世界中に配置した100以上のカメラに加えて、ローマ法王と共にお祈りを唱える前後にローマ法王に挨拶をする信徒たちを手配した。
そこで、問題が発生した。宗教的有力者がローマ法王のそばにモニターを置いてはいけないというのだ。僕は抗議し、ローマ法王に決めてもらいたいと話し、その翌朝、ローマ法王はその有力者の意見を却下し、僕に許可をくれた。
保険会社は(200万ドルを保障するため)ローマ法王と僕、二人ともに健康診断を受けるよう要請してきたが、僕は受診しローマ法王は受けないと説明すると、保険会社は引き下がった。次に、イタリア放送協会(スーツに身を固めた男たち)が、一見さんである僕にバチカンからの放送は無理だと言ってきた。絶対にあきらめないと心に誓ってローマを後にした僕は、ローマからの生映像をイギリスのロンドンで受信して放送することにしたんだ。(協力して下さった、ヨーロッパ放送連合のみなさんありがとう)奇妙に聞こえるが、本当の話なんだよ。番組は滞りなく進行して、ビデオとDVDが今でも入手できるよ。
もう一つの問題は、教会は数百年もの間新しいものを取り入れることがなかったので、1986年にさかのぼるが、大司教ジェン・P・フォーリーが使用したことがあるローマ法王にとっての最初のファックスをプレゼントした。
番組制作のためローマへ発つ前に、ワシントンD.C.へ立ち寄りデイビット・ブリンクリーら数人と夕食をしたのだが、みんなどうやってこの複雑な生放送をうまくやってのけたのか興味津々で、注目をあびてとても光栄に思った。
前に書いたと思うが、何十億人もの人々が番組を見てくれたということで、後にローマ法王は妻と僕に個人的に感謝をしたいとバチカンへ招いてくれた。とても快適な旅だったよ。そこで、もう一つ奇妙なことが起こったんだ。ローマ法王が僕たちに短いお祈りを捧げてくれた後、ふいにまだ戻ってこられて、妻に2回目のお祈りを捧げてくれたんだ。ジョイさん、妻はカトリックに改宗したんだが、ローマ法王が妻に2回も祈りを捧げてくれたのは、こんな僕と一緒にいてさぞ大変だろうと思ったからだと思うんだ。
ゴチャゴチャと書き連ねたけど、これがヨハネ・パウロ2世に関する僕の思い出だよ。
ではまた。
トニー
最終更新時間 2005年04月13日 12:35
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トラックバック時刻: 2005年06月26日 13:23
トニーさんのようなジャーナリストが日本にも
必要ですね。
投稿者 Kumippe Roma : 2006年04月10日 23:28
Sorry, but what is mariburjeka?
Jane.
投稿者 sweet-ol : 2008年03月26日 10:41










