「守ること」の意味
今回は直接英語には関係のない内容です。
仕事って、皆それぞれ「もっとお給料が欲しい」「やりがいが」などと目的を求めてやっているものかと思います。その中の大きな一つに「社会的な意義」を求めるということもあるのではないかと思うんですが。
私も、自分で、勝手に、ではありますが、『English Zone』を出すことによって、読んでくださった方がこれまでに知らなかった国について造詣を深めてくださったり、そういったことが増えることによって巷にまだあるような人種間の偏見や差別が少しずつなくなっていったりするといいなあなんて考えていたりします。大げさな、と言われるかもしれませんが、やっぱりそういう目標があると頑張り具合も違うってなもんです。
相変わらず前置きが長くなってしまったのですが、私の友人でジャンルが少し似ている仕事をしている女性がいまして、仮に名前をMさんとします。Mさんは30代後半で一人の子持ち、最近息子が通い始めた小学校のPTA役員を始めたばかりです。これまでに経験のない新しいことばかりで四苦八苦しながらも、忙しいスケジュールの間を縫ってPTAのミーティングに参加していたある日のこと、こんな提案が出たそうです。
「学区内にホームレスの人たちを更正させる施設を建てる予定がある。これに関して反対署名を集めたいと思います」
小さい子どもたちの親であるほかのPTA役員たちは異論もない様子。Mさんが驚いたことには、建設反対を大前提に話し合いが進められたことだけではなく、「PTAとして反対署名をしたいが、そうなるとうちの小学生たちが狙われる。だから、直接署名をしないで、町内会が署名をする場合に個々に署名するなどするしかないだろう」という結論が出されたことでした。もちろん、Mさんの息子も小学校に上がったばかりの6歳、確かに身元の知れない人たちがすぐそばにいるというのが気にならないと思ったら嘘になります。
でも。
Mさんには、これまでの仕事やプライベートの活動を通して、何人ものホームレスの友人がいました。さまざまな理由で職を失った人たち。息子を彼らに会わせたこともあり、時には息子と遊んでもらったりもしました。「お母さん、どうしてあのおじさんたちは公園にいるの?」そんな問いに彼女は、丁寧に答えていました。「あのおじさんはね、あっちのおじさんはね・・・」。これも社会の一部なんだよ、と。
「どうしたらいいのかわからなくてね。社会は彼らの受け皿を作らないといけない場所でもあると思うし、でも、子どもの親としては気持ちもわかるし・・・」
難しい問題だなあと頷きながら、私はアメリカで見たある光景を思い出していました。私が2年ほど住んでいたボストンはご存知のとおり結構都会で、街角にホームレスのおじさんがお金をもらうためにカップを持って立ってたりします。日本人の私はその横をすっと通り過ぎることが多いんですが、アメリカ人の友人といると、そのほとんどが小銭をカップの中に入れるんですね。わざわざ近寄っていって入れる人も少なくありませんでした。そして “Thank you. Have a nice day.” と声をかけるおじさん。不思議そうな私の顔を不思議そうに見ていた友人たち。確かにあの人たちは社会の中にすんなり溶け込んでいたなあ。
しかし国が違えばホームレスになる理由ももちろん違うし、同じことが起きればいい、悪いとは言えませんね、受け入れ態勢も環境も文化も違うし。ただ、何らかの形で彼らの手を完全に離すことなく共存する方法はないものか・・・明確な答えはありませんし、私がMさんの立場ならやはり悩み続けるでしょう。
色々と考えさせられた一件でした。
最終更新時間 2005年06月21日 19:03
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> 建設反対を大前提に話し合いが進められた
> 直接署名をしないで、町内会が署名をする場合に...
この話しを読んで「けしからん!」まさに"Not In My Back Yard." だと思いました。
しかし、まともに反対すればPTAからは村八分、もっと心配なのは、こどもがイジメの対象にもなりかねないと思いました。むしろ、そんな人たちに対して反旗をひるがえすだけの価値があるのかなとも思えました。
その後Mさんはどうされたのでしょうか?きっと真実ではない自分を感じられたでしょうね。
でも、世の中にはもっと他にも不条理な出来事はいっぱい。そう思われるだけでも立派だと思いました。その分他のステージで活躍されれば良いのではないでしょうか。
投稿者 森クマ : 2005年11月03日 00:50
森クマさん、こんにちは。かなりの遅レスですみません。
"Not in my back yard"、そのとおりですね。
そして正論だけでは片がつかない問題もあるというのも現実。
結局Mさんは少し悲しい・悔しい思いをしながら皆と一緒に行動しました。
Mさんの携帯には週に2~3度、「おたくの学区内で子供が危険にさらされる可能性があることがありました」という内容のメールが届くんです(そういうサービスがある)。それを聞いていると、心配する側の親御さんの気持ちもわかるし・・・。
難しい問題ですね。
投稿者 伊東 : 2006年01月20日 16:06










