− 第14回 −
10月 ぼくの内庭(ブリュッセル) (2007年10月22日掲載)
ブリュッセルの街では住宅街と言ってもレンガ造りの家が壁を接して続いているばかりでひどく殺風景だ。ところが家に入ると通りとは反対側に広大な内庭が広がっている。家並みはロの字型に密接し、内側に広大な空間を抱え、それが内庭になっているのだ。
見事な手入れがされ季節ごとに花が咲き乱れる。窓際の安楽椅子にすわりワインを飲みながらその庭を眺める。夏の間はワインがすっかり空いても日が暮れない。それがサマータイムが終わると急に日が短くなる。10月中旬のある日、ワインはまだ半分も減らない内に見事な夕焼けが始まった。太陽が沈むと向かいの教会や煙突が真っ黒なシルエットとなり空の朱色は時と共に際立って来た。
その夜ゴーゴーと北風が吹き、雨が降り、一気に冬がやって来た。
写真・文: 金子 晴彦











