− 第24回 −
3月 大都会の故郷(ブリュッセル) (2007年3月17日公開)
ぼくが子供の頃住んでいた世田谷の外れには森や田んぼがいくらでも有った。しかし、今では住宅が密集し、かつての痕跡は坂道の上下くらいにしか残っていない。最早故郷などとはとても言えない。
人口の移動が少ないせいかブリュッセルではそうした森や畑は過去そのままに残っている。森では一本一本の木が登録され管理されている。
毎朝犬と散歩に来る老人にしてみれば、そこは子供の頃に遊んだ場所であり、今又、ゆっくりと憩う場所でもある。大都会でありながらそこは故郷として意識出来る。こうして個々人の歴史が積み重ねられて初めて伝統は引き継がれてゆく。
写真・文: 金子 晴彦









