− 第19回 −
1月 霧のカリヨン(ブルージュ) (2008年1月7日公開)
一月のブルージュは石畳から冷気が忍び寄る。張り巡らされた運河も凍りつき、観光客はぐっと減る。おかげでこの時期の街は15世紀の当時そのままの雰囲気に包まれる。当時の都市計画の絵地図をたよりに歩いても何ら不便はない。
街のほぼ中央を横切る運河沿いに歩いてゆくと、対岸に裁判所や古文書館等のネオゴシック建物が壁を接して続いている。そのとんがり屋根の向こうにはブルージュのシンボル、鐘楼が朝霧にまぎれる様にして聳えている。その頂上は47個のカリヨン(組鐘)を収容するために筒の様な形になり、鋭く尖ったノートルダム寺院と対極をなしている。
毎日午後3時になるとカリヨンの重く、深く、軽く、高い独特の音色が早くも日の暮れたあたり一帯に響きわたり、ブルージュの時は止まる。
写真・文: 金子 晴彦










