− 第21回 −
2月 森の電車(テルビューレン) (2008年2月4日公開)
ブリュッセルにはいくつも公園があり、そこには必ず森と池と草原が有る。そこで人はひたすら歩いている。あるいは寝ている。ボール遊びや、フリスビー、はては花の下の宴会が有るわけではない。したがって人は沢山いてもとても静かだ。テルビューレンもそんな公園のひとつでブリュッセルの中心から市電で行ける。薄黄色の車体にブルーのストライプを引いた細身の電車は市街を抜け、住宅街に入り、そしてほどなく鬱蒼たる森へと入ってゆく。市電がかくも深い森の中を走るとは思いもよらないだけにわくわくする。
雪が降りその後晴れ上がった冬の昼下がり、ちょっと珍しい黒い電車が「森を走る楽しみ」を乗せてやって来た。
写真・文: 金子 晴彦










