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「クルマとネットワーク」をテーマにした連載も、今月で最終回となりました。テレマティクスと呼ばれる自動車のネットワーク化を含むIT化技術は、今まさに実用化の緒についたばかりです。自動車メーカーや車載端末メーカーはもちろん、移動体通信事業者、整備工場や部品販売などのアフターマーケット、交通・輸送業など自動車に関連するすべての業界が、テレマティクス市場の順調な成長に期待しています。
今回、登場していただいたインターネットITS協議会は、まもなくやってくるテレマティクスの大規模なビジネス展開を前に、プレコンペティティブな段階でさまざまな課題を解決しておこうとするコンソーシアムです。
インターネットの普及状況や社会的なインパクトを十分に見極めた上で昨年暮れに結成されたこの協議会は、インターネットのオープンな特性を最大限に生かすというポリシーを持って、近未来のロードマップを描いています。
自動車はメーカーや車種が違っても、運転方法や整備方法は全世界共通です。このすばらしいカルチャーがテレマティクスの分野でも継承されるためには、こうしたコンソーシアムの果たす役割はとても重要になるでしょう。
オープンなインターネット環境を基盤に、2006年の事業家、2010年にすべてのクルマのネットワーク化を目指す
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インターネットを基盤にクルマのネットワーク化を目指す
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――インターネットITS協議会設立までの経緯についてお聞かせください。
これまで自動車メーカーを中心にテレマティクス(クルマのネットワーク化)に取り組んできていますが、実用化段階としては本格化していません。そこで「どんなクルマも、いつでも、どこでもインターネットにつながり、無限のサービスを享受できる社会基盤の実現」を目指す「インターネットITS」のプロジェクトを2000年に経済産業省と慶応大学、民間企業でスタートさせました。
インターネットITSは、乗用車から商用車、バス、タクシーまですべてのクルマを携帯電話網、DSRC網、無線LANなどあらゆる無線系のネットワークを使ってインターネットに接続しようという構想です。クルマへの接続基盤さえ作ってしまえば、インターネットですからコンテンツは制約もなく、無限なので、想像もできなかったビジネスモデルが自然発生的に立ち上がってくるはずです。さらに自動車メーカー単独では容易に成立しなかったビジネスモデルも成り立つようになると考えています(図1)。
2002年1〜3月には名古屋市で1500台規模の実車走行実験(インターネットITS名古屋実証実験の概要)を行い、良好な結果も得ています。インターネットを利用すれば、世界中につながりますし、汎用性もあります。インターネットはプロトコルや規格が統一されているので、クルマをつなぐ目的のために使えば、クルマのネットワーク化を容易にできることが証明された形になりました。
――名古屋の実験はどのような形で行われたのでしょうか。
名古屋では車載機を搭載したタクシーを使って、B to BとB to C向けの実験を同時に行いました。位置情報が常に把握できますので、タクシーの運行管理に非常に有効でした。また、百貨店やホテルなどの情報を乗客に提供する試みも行って、有料で事業化可能だという結果も得ました。さらにプローブ情報といいますが、クルマの位置動態情報がすべて情報センターに蓄積されるので、それを官公庁や大学、企業などがさまざまな形で利用することもできます。例えば、走行状況の情報を官公庁などで集約すれば道路混雑などリアルタイムの交通情報も提供できますし、情報を蓄積して統計的に見ていけば、道路の通行量分析のセンサス(一斉調査、実態調査)にも役立てることができます。
ただし、そこには解決しなければならない課題があるのも確かです。最大の問題は通信コストで、名古屋の実験では、1台あたり月5,000円にもなってしまいました。実用化のためには、通信コスト引き下げを考え、さまざまな通信手段を使い、例えば走行中と停止中は使い分けるなどの工夫が必要になります。
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