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全国の道路にくまなくセンサーを配置し、すべての交通情報を一元管理する。ITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)のプロジェクトがスタートしたとき、それは遠い未来の夢物語のようでした。しかし、ITSの要素技術は一つひとつ実用化し、最初は車載端末が高額などの理由で不人気だったETC(自動料金収受システム)搭載車もとうとう100万台を超えるまでになりました。
携帯電話の回線を利用した自動車のネットワーク化という動きとは別に、このETCの端末と通信技術を使ってクルマを情報化する、というのが今回登場していただいたITS総研のミッションです。
ETCと同じ双方向の狭域通信技術を、道路沿いの店舗や駐車場で利用すると、一体何ができるようになるのでしょう。
この仕組みの一番の強みは、ETCの普及に伴い端末搭載車が自然に増えていくこと。そして、自動料金決済ができて、情報のプッシュ型配信が可能なこと。この三つの条件で画期的なアプリケーションが提案できるかどうか。読者の皆さんも自由な発想でこの課題に挑戦してみてはいかがでしょう。
ETC技術をベースにサービスの高機能化、更なる利便性向上を図り、ITSの高度化を目指す
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ETCをベースにITSサービスの高度化を目指す
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――最初に、株式会社アイ・ティー・エス総合研究所(以下:ITS総研)の目的と活動内容をお聞きかせください。
菊地:まず背景としてですが、1995年ごろから道路・交通・車両分野の情報化を目指すITSが国のプロジェクトとしてスタートしました。これは、当時の建設省・警察庁・通商産業省・運輸省・郵政省が連携して、ナビゲーションの高度化やETC(Electronic
Toll Collection System:自動料金収受システム)の実現、安全運転の支援、交通管理の最適化など9つの開発分野を定めた大規模なプロジェクトです。
その後、ナビゲーションシステムでは、VICS(Vehicle Information and
Communication System:道路交通情報通信システム)が実用化され、いまではどんなカーナビにも標準装着されるまでになりました。
続いて、2001年11月からは、全国616ヵ所の高速道路料金所でETCのゲート設備が稼働するようになり、2003年6月18日からはETC車載端末普及のための助成や割引制度も始まりました。これによって、ETCもようやく本格的な普及期に入ろうとしています。
つまり、ETCのための国の施策はほぼ完了したと言ってよいところに来ましたので、これからは民間が中心になり、このETCの技術を高速道路の料金収受以外に幅広く活用する段階に入ったのです。
このような背景の中で、2002年2月に発足したのがITS総研です。ITS総研は利用者に一番近いポジションに位置している流通業から、カーナビゲーションメーカー、ETC車載機メーカー、セキュリティ機器メーカー、ICカードメーカーなどITS関連企業13社が集まり、連携・協力しながら業界の枠を超えた活動を行っています。特定のメーカー色がありませんし、流通業界が参加することで幅広いユーザーニーズを捉えることができます。これを研究開発やサービス提供に反映できるのが私たちの強みだと思っています。
――-ITS総研が2004年春の商用化を目指しているEFP(Electronic Fee Payment Service:読み“エフピー”)の狙いと背景をお聞かせください。
菊地:私たちは現行のETCで使われているDSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)という通信技術を有効に活用して、自動車ユーザーの利便性向上を目指した新しいサービスを実現したいと考えています。これがEFPサービスです。2001年4月に総務省が省令改正を行って、DSRC用に7波が利用できるようになったのですが、現行のETCはその中の2波を利用しているだけです。EFPでは残り5波を利用した新しいサービスを、総合的に提案していく計画です。
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