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BB最前線VisionTalkは、今月から特定のテーマを連載形式で掘り下げていく新企画をスタートしました。第1回目のテーマは「クルマとネットワーク」(4回連載の予定)です。
100年の歴史を持ち、私たちの生活の隅々にまで浸透した自動車が、今、ネットワーク化によって大きく変貌しつつあります。そこには、単なるカーナビの性能向上という枠組みを超え、新しいライフスタイルやビジネスモデルを生み出す可能性があります。
その先頭を走るトヨタは昨年8月、KDDIのCDMA 1×(144kbps)を使った定額制の自動車向け情報サービス「G-BOOK」を発表しました。その中に、カラオケのダウンロード・サービスが盛り込まれていたことは、当時、ちょっとした話題になりました。
質実剛健なイメージのトヨタが、なぜこんな冒険をしたのか。今月のインタビューは、その理由と背景について、開発責任者の豊田章男氏に聞いています。成熟市場と厳しい競争の中で、顧客ニーズを最優先に製品開発を進める自動車メーカー。彼らの描くブロードバンドの将来像には、地に足のついた力強さを感じます。
ネットワーク化=「つながる」機能の付加により、クルマの新たな魅力を創り出す
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ネットワーク情報サービス「G-BOOK」が高い契約率を達成
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トヨタ自動車株式会社
アジア本部長
e-TOYOTA担当
常務取締役 豊田章男氏
Profile
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――現在、クルマのネットワーク化への挑戦が進んでいますが、トヨタ自動車の取り組みを伺いたいのですが。
クルマの機能は「走る」「曲がる」「止まる」の3つが基本で、お客様の要望に沿って、その機能を改良してきました。ところが、数年前から日本では、若者を中心にクルマのローンは払いたくないが、携帯電話にはお金を使うという状況が出てきました。そこで、極端なことを言えば「携帯電話を買ったら、オプションでクルマが付いてくる」というぐらい発想を逆転させた「G-BOOK」という車載端末を搭載した「WiLL サイファ」を誕生させたわけです。機能的には、「走る」、「曲がる」、「止まる」に加えて、ネットワーク技術を組み込んだ「つながる」という機能を新たに付加することによって、クルマの新たな魅力の創造に挑戦したのです。
G-BOOKは、DCM(Data Communication Module)と呼ばれるデータ通信モジュールによって、全国どこででも安定した高速通信を実現します。このDCMを中核に、ネットワークを介して、ナビゲーションやコミュニケーションなどがドライブ中でも可能になります。ユビキタス社会がいわれる中で、クルマの持っている特性に合わせて、「つながる」=ネットワーク化によって、本当に楽しく、魅力ある商品をお客様に提供していく試みを、通信事業者やエレクトロニクスメーカーなどと協力して始めたわけです。
――反応はどうだったのでしょうか。
予想していた以上に、G-BOOKの契約率は高いですね。WiLLサイファは、現在約16,000台受注していますが、G-BOOKの契約率は80%、12,000名を超えています。1台あたり1日平均で5ページビュー、契約者の75%が1週間に1回は使っているようです。当初、「つながる」機能としては、携帯電話をそのまま車内に持ち込めば良いという意見もありました。しかし、両手でハンドルを握って、目で安全を確認しながら運転するわけですから、安全を確保する責務が自動車メーカーにはあります。そこで、ボイスコマンドなど、走行中でも手を動かさずに操作できるようなドライバーの立場に立った車載端末を開発してきました。
一方では、エンターテインメント系というか、カラオケなども利用できるようにしました。クルマは交通手段という役割以外にプライベート空間という側面が強いのです。そこで、走行中の安全性を確保した上でネットワーク経由による音楽配信や、カラオケで自由に歌えるようにしました。これも予想以上に好評で、プライベート空間としてのクルマの楽しさに加えて、「つながる」機能が新たな相乗効果を生み出しています。
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