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江口 勝 氏
福岡県企画振興部
高度情報政策課 企画監
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福岡県は県内9つの都市をアクセスポイントに2.4Gbpsの高速バックボーンで結んだ「ふくおかギガビットハイウェイ(FGH)」を構築、IT産業の集積を図ろうとしている。さらに、県ではIX(Internet Exchange)の開設を展望しながら、コンテンツの集積を図るための「ふくおかiDC(Internet Data Center)補助金制度」、高度IT人材育成のためのNPO法人の設立など、ユニークな施策を展開しようとしている。韓国をはじめ、アジアに開かれたIT先進県を目指す福岡県について、県企画振興部高度情報政策課企画監 江口 勝氏に聞いた。
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IT産業振興の呼び水として、情報基盤を整備
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――最初に「ふくおかギガビットハイウェイ(以下:FGH)」構築の狙いをおうかがいしたいのですが。
2001年初め頃に検討を始めましたが、当時東京と比べると情報基盤の整備が十分でないという認識がありました。福岡県の産業振興や県民生活を考える上で、ITの活用なくして展望はない。そういう意味でのIT先進県を目指そうとする時に情報基盤の未整備なところでITの活用はありえないと考えたわけです。
当時、福岡市、北九州市という2つの政令指定都市にはある程度プロバイダも進出し、ブロードバンドサービスも進みつつありましたが、今のようにADSLも普及する前で、それ以外の地域ではダイヤルアップ、ISDNが中心で情報基盤の整備も十分ではありませんでした。プロバイダに聞いてみると、福岡市までは回線を引いても十分に事業として成立するが、それより南の地域では事業として成り立たないというのです。そこで、福岡県でバックボーンを構築し、それを企業や各事業者に利用してもらい、IT産業の振興や企業誘致の「起爆剤」にしていこうと構想しました。もちろん、ネットワークの幹線ができれば、行政の利用や一般企業が県内の拠点を結んで利用できる点でも、大きなメリットがあると考えました。
――構想からサービス開始まで非常に素早かったとお聞きしましたが。
相当早かったと思います。通常、基本構想から実施計画と順を追って策定していると、それだけで何年もかかってしまう。「できるだけ早く作れ」という知事の方針もあって、2001年初めから構想を立て始めて、その年の秋、11月上旬に運用にこぎつけたわけですから、これはかなり早いといえると思います。
時期的にタイミングが良かったこともありますが、「FGH」の構築手法そのものが、早期運用を可能にした面が大きいと思います。事業で最も時間がかかるのは県内を結ぶ光ファイバの敷設ですが、これは県が自前で引いたのではなくて、九州電力グループの既存のファイバ網を借りています。ちょうど事業を構想し始めた頃に、ファイバを貸す心線貸し事業が一般化しつつあったので、これを利用しました。
アクセスポイントも、通常であれば、県の出先機関などを使うことを考えるのですが、「FGH」では九電の営業所とその関連会社であり第1種通信事業者のQTNet(九州通信ネットワーク株式会社)の施設を借りて、その中に県のルータを設置しています。さらに、24時間365日ネットワークをいつでも使えるようにしなくてはいけないので、運用監視もQTNetのセンタに委託しています。知事から指示された「誰でも、安く、大容量の回線が使える」情報基盤の実現が「FGH」の理念でしたので、通信事業者が利用する場合でも問題なく「FGH」を利用できるようにしなくてはいけない。県の出先にアクセスポイントを置いたりするのでは、24時間365日稼働はとてもできません。それをクリアするために、民間企業の施設を借りたわけです。
――当時、一番懸念されたことは何だったのでしょうか。
「FGH」を構築することで、かえってIT産業が育たないのではないかという懸念がありました。しかし、当時、県内の需要がまだまだ掘り起こされていないという認識のもとに、「FGH」によって需要を掘り起こそうと考えました。また、「FGH」の事業も県としては未来永劫続けるつもりはなく、あくまで「呼び水」という位置づけで一応10年という期限を設けていて、所期の目標が達成されれば、事業としてはそこで終わりにする方針です。
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