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「モスバーガー」で親しまれているハンバーガーショップを展開する株式会社モスフードサービスは1972年のオープン以来、「人と人のふれあい」を基軸に、食を通じて人々の健康と幸せの実現を目指している。モスバーガーでは、他に先駆けて、店舗での無線LAN実用化実験に取り組み、この7月からは都区内のほぼ全店舗をホットスポット対応とし、ブロードバンドサービスを本格的に展開しようとしている。同社管理本部情報システムグループリーダー永井正彦氏に、来店客の反応や同社の戦略を聞いた。
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顧客ニーズに最適なITサービスを模索、ホットスポットを採用
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――店舗のホットスポット化をいち早く行いましたが、まず、そのきっかけをお聞かせください。
2年ほど前、ノートPCを持ち歩くビジネスマンが増えてきたので、渋谷の道玄坂店でカウンタに電源コンセントをつけて、自由に使える空間を作ってみようと実験を始めました。それをたまたま見たNTTコミュニケーションズさんから、2000年12月に無線LANサービスの実験を試みようと話を持ち込まれたのがきっかけです。お客様にIT関連ニーズが存在しているのは分かっていたので、何とかうまく取り込んでいきたいと考えていたのです。しかし、飲食とサービスの提供という本業とは全くかけ離れているので、どうしたらよいか分からず、思案していたところでした。
そんな中で、NTTコミュニケーションズさんから「来店客が自分でパソコンを持ってきて使うのです。お店が通常のサービスを提供する中で、新しいサービスが可能になります」と言われました。店で特別の体制を組む必要がないのであれば可能かもしれないと考え、立地の違う都内の5店舗を選んで実験を始めることになりました。
――パソコンを使わない客への影響、長時間の席の占有など、不安材料もたくさんあったのではないでしょうか。
何しろ、まだ「ホットスポット」という名前もなく、アメリカでスターバックスが無線LANサービスを始めるというニュースが入ったばかりの頃で、日本ではどこも実験さえ始めていませんでした。ですから、朝、昼、晩と来店客の利用シーンを細かく想定して、サービス提供のパターンを何通りも考えました。また、周りのお客様はどう感じるのか、非常に気になったので、アンケートも用意しました。実際にモニターを募集して実験を始めてみると、「パソコンが使えるのは非常にイメージがよい。モスバーガーに合う」という声が多かったので、私たちも自信を深めました。
一方、ホットスポットユーザーの利用時間帯は、午後2時過ぎから夕方前までが一番多いことが分かりました。この時間は午後の喫茶の時間で、モスバーガーでは比較的店内が空いている時間なのです。午後の空いている時間帯に店内でパソコンを使うお客様がいるのはお店のイメージも良くなるし、他のお客様を店内に引き込む効果もあります。お客様の反応も良いし、店の売り上げにもプラスになる。それで、ホットスポット対応店を思い切って拡大しようということになりました。
――そのほかに実験で分かったことはありましたか。
2001年7月からの5店舗に加え、11月にはさらに8店舗、実験店を増やしました。モニターの方からは、会社の近くや、通勤する生活動線上にホットスポット店があれば立ち寄りやすい、という意見が多く寄せられました。つまり、会社でパソコンを使っていても、私的な用途ではなかなか使えない。そこで会社の近くや定期券で途中下車できる通勤経路線上に店があれば、日常的に使うようになり、利用頻度も高くなる可能性が大きいということです。例えば、神田北口店で毎朝8時か8時半頃、出勤前に立ち寄っていくお客様がいました。インターネットやメールを使って、私的な用件を済ませてから出勤するわけですね。また、郊外でも意外にニーズがあるようです。門前仲町店で、休日に子供連れで来店するお客様がいました。家では子どもがうるさくて、落ち着いて使えない。モスバーガーで子どもが好きなハンバーガーを注文すれば喜ぶし、自分もゆっくりパソコンを使えるというわけです。
そこで、今年7月からモスバーガーの都区内全店140店舗あまりを全てホットスポット対応にしました。利用するお客様に分かりやすいように、一気に面的な展開を図りました。東京以外では、今後政令指定都市を中心に、もう少し絞り込んでホットスポット化を進める予定です。
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