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「クラスメディア」として成立するブロードバンド
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――「インプレスTV」は、どのようなコンセプトで生まれてきたのでしょうか。
もともと当社は「インターネットマガジン」など雑誌メディアを擁する出版社です。紙ベースから始まり、「INTERNET Watch」などのメールニュースを始めました。携帯電話やPDA向けのメディアも2000年前半には整ってきました。次がブロードバンドで、メディアが進化していく中でインプレスTVを位置付けたわけです。
つまり、テレビメタファをブロードバンドにそのまま持ち込んだのではなく、雑誌でやっているものが動く…すごい…という発想で、当社の雑誌を補完する新しいメディアとして進化してきたと言えます。これは非常に重要なことで、インターネットというのはテレビ的マスメディアではなく、クラスメディア、つまり専門誌なんです。ユーザーアンケート調査でも、インプレスTVの視聴者がすべてのコンテンツを見ているわけではない。「スタパトロニクスTV」の視聴者と「ギターマガジンTV」の視聴者は世代的にも異なっています。
実際問題として、「スタパトロニクスTV」や「動く!改造バカ一台」は、もともとは雑誌で連載していたコンテンツです。雑誌で連載していたコンテンツをインターネットに持ってくれば、どんな表現が可能なのか。紙では表現しきれない部分が映像ならもっとわかりやすくなるのではないか……というコンセプトを持っているわけです。紙では表現しきれないが、TV番組ほどの予算はかけられない。そこで、動画の説得力とインターネットの持つ即時性を兼ねそなえたのが、インターネット放送です。
――そうしたコンセプトを持つ中で、ビジネスとしての収益性は?
いわゆる視聴率やページビューという単位に相当する単位として「ストリーム」を説明しておきましょう。ストリームというのは、例えば朝にライブ放送を視聴し始めて昼に終了するまで見続けていれば、「1ストリーム」とカウントします。1ストリーム=200PVの広告価値があるとも言われています。「インプレスTV」はすでに月間100万ストリームを持つ広告価値の高いメディアに育っており、これからのブロードバンドユーザーの拡大傾向から見ても増えつづけるでしょう。
「インプレスTV」のビジネスモデルとしては、広告モデルが主体で、それに有料課金モデルやテレビ通販に近いECを絡ませる形など、複合的と言っていいでしょう。当社の場合はサイトにアクセスするとすぐに生放送中の画面が立ち上がり、映像が再生されるようにしています。インターネットのオンデマンド映像は画像の部分をクリックするとプレイヤーが立ち上がり、映像が再生されるというのがスタンダードですが、「インプレスTV」はテレビのようにすぐに画面が出てくるようにしています。その際、映像が出てくるまでのバッファリングの時間を利用して、15秒の動画広告を流しています。確かに広告は「インプレスTV」の核となる収益源になっていますが、ストリームが増えれば収益につながるという単純なロジックは通用しないので、今は有料課金など複数の収益モデルを混在させる手法をとっています。
ライブ番組は広く視聴してもらいたいコンテンツですから、広告主体モデルになりますが、オンデマンドの場合はインタラクティブ性などの付加価値をつけやすい他のモデルも組み入れています。例えば、商品映像が流れた後に、その場で商品購入をさせるEC連動モデルや、自社コンテンツを他サイトへ供給するネットワーク配信モデルもあります。
収益面ということでは、コンテンツの製作コストの面でパフォーマンスが優れているのも魅力です。事実、DVD等への転用まで視野に入れればベーカムで撮影しますが、それ以外の多くのコンテンツはデジタルビデオカメラで充分です。安価に製作しようとすれば、いくらでも安く作れます。「インプレスTVはテレビの発想ではなく、クラスメディアという専門誌的発想」というのはその意味でも重要なコンセプトです。もしテレビのようなバラエティ番組を作ろうとすれば、膨大な製作予算がかかります。インターネットというクラスメディアに適合した、「ここでしか見られない」「これを見たい」という純粋に中身勝負の番組を作れば、安価で、必要な人に対して放送する本質的な意味において「いい」番組はできます。
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