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ブロードバンドを活かしてどう変えるか
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---日本が成功するためのブロードバンド社会とはどういうものでしょうか
セキュリティやプライバシーについては、もっと時間をかけて議論する必要があります。技術的にはバイオメトリクスなどがどんどん進んでいますが、それだけではダメです。社会全体のコンセンサスが得られるようにならないとまずいです。そういうものが得られてはじめてネット社会が成立するのです。
90年代はモノカルチャーに走りすぎました。その結果、ウイルスの問題など裏目に出ています。つまり、1つの弱点を突かれることで非常に多くの人が被害を受けることになるのです。
日本では世界に先駆けてインターネット接続携帯電話を普及させています。これはモノカルチャーになっていません。中身はTRONですが、いろいろなメーカーのいろいろなTRONが使われています。標準を保ちながら競争するTRONだから、日本の得意な改善改良ができるのです。CPUとOSをブラックボックスとして外国から持ってきたらこうはいきません。みんな同じような製品になってしまいます。
インターネット接続携帯電話は、いろいろなメーカーからいろいろな製品が発売されています。その結果、世界的に類を見ない独自性が実現しました。必要なのは多様性なのです。
--ビジネス面ではいかがでしょうか
ネットワークを使えばビジネスは成功する、という誤解が一部にあるようです。ビジネスに電話は必要ですが、電話を引いたからビジネスが成功するなどということはあり得ません。同じように、ブロードバンドを使うことで成功の可能性はありますが、誰でもうまくいくというわけではありません。何が売りたいのかが重要です。そして、売るものが良いものでなければ商売になりません。ITやブロードバンドを使わなければ、というのは誤解です。ブロードバンドでどう変わるかではなく、ブロードバンドを活かしてどう変えるかが重要です。
インターネットだからといって英語を使う必要もありません。国際化と英語を使うことは別です。日本は国内市場がとても大きいのですから、得意なところを伸ばして自信を持って国内で活動して欲しいものです。
日本のメーカーには、もっと独自の技術も伸ばしてもらいたいですね。インターネットはアメリカ生まれの技術なので、突き詰めると最後はアメリカが有利になってしまう。枠組みはW3Cで決めても実際に使われる規格を決めているのは向こうですからね。本当のユビキタス社会を目前にして、得意なところをベースにして世界に打って出るような戦略に変えた方がいい、というのが私の主張です。
また、ビジネスモデルを考えたとき、適正な規模というものを考える必要があると思います。高度成長から循環経済型へ、経済モデルの転換という考えがあります。高度成長モデルでは「無限の市場」が前提でした。でも、それが存在しないとわかりました。今では、少量多品種が求められるようになってきました。大企業が採用しているカンパニー制が、少量多品種を意識して対応した形の現れでしょう。適正少量で採算がとれるモデルを構築した人が勝つのではないか、と思います。
ところで、日本で独占禁止がうまく働かなかったのは、競争社会でなかったからです。でも、今の世論では競争が必要だと言われ始めています。そのためには独占禁止法を強化する必要があります。そうでないと、体力のあるところが勝つことになってしまい、競争が成り立たないのです。
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